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三通の恋文

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竜ヶ峰帝人さま


やあ、君に手紙を書くのは三年ぶりで二度目だね。
と言っても最初の手紙については、君が読んだかどうか分からないんだけど。っていうかノーリアクションなんだもん、こっちから読んだ?とか聞けないよ。なんですかそれ、とでも返されたら凹むよ?
まあ、前回の手紙からは三年たって・・・俺たちの関係も少し変ったし、それになにより、君は遠くへ引っ越してしまったよね。まあ、だからこうして手紙を書いているわけなんだけど。
多分前回の手紙には、君への感情がよくわからない、ってことを書いたと思う。けど今さ、君が近くにいなくなってみて、俺はその答えをようやく見つけたような気がするよ。激しく今更なんだけど。っていうかできれば認めたくはなかったんだけどね。
君は俺を嫌っているだろうか、という点について考えてみる。三日三晩考えて、何度も結論を出しては考え直したけれど、やっぱり君は俺を嫌っていると思う。そしてそれが当然だし、あんなことまでしておいて、好きだとか言われたらすごく胡散臭いとも思う。
竜ヶ峰帝人は、折原臨也を嫌っている、これで正しいんだと、分かってる。
俺自身、君に嫌われることをしてきたつもりだ。と言うか正直、嫌われたかったんだと思う。俺から君を見限るんじゃなくて、君から俺を見限って欲しかったんだと、思う。
俺は、君と出会ったことを後悔しているんだ。
大事なことだからもう一度書くよ。俺は、君と出会ったことを、激しく後悔している。多分俺の生きてきた人生の中で、だんとつぶっちぎりで一番。
俺は君と出会うまで、怖くなかった。
嫌われることも、鬱陶しいと思われることも、胡散臭いと言われることも、見限られることも、何も怖くはなかったんだ。
でもたとえば君に対して、精一杯の誠意で紡いだ言葉が伝わらなかったとき。
構いすぎてうるさがられたとき。
ちょっとしたノリと勢いで大好きと言って、それに平坦な大嫌いが返ったとき。
俺は本当に大げさなくらい傷ついて、泣きそうなくらい心が痛くて、どうしてこんな風に思わなきゃいけないんだろうって自問自答をしていた。いつでも君と会話することが怖かったんだ。いつ臨也さんなんかもう必要ないと言われてしまうのかと、そんなことばかり考えていた。それが先延ばしになるほど恐怖は募って、怖くて怖くて夜も眠れなくて、それで俺は君に思い切り嫌われたくて、早く見限ってほしくて、これ以上の恐怖が蓄積される前に息の根を止めてほしくて、君を追いつめました。
自分で書いていて何だけど、俺ってばかだよね。
今更、こんな気持ちに気付いたところで、嘘臭いのは変わらないし。
口にするのが他ならぬ俺じゃあ、その嘘臭さは十倍にも二十倍にもなりそうだ。
だからペンをとって、こんな風につらつらと文字を紡いでいるけれど。きっと俺の思いは君に伝わりはしないんだろうなあ。
分かっていることだけど、それが悔しくて悲しいよ。もっと早く、ちゃんと分かっていればよかったと思うと後悔ばかりで、そしたらやっぱり、出会わなければよかったんだと結論が出る。
かわいそうにね、帝人君も。
俺なんかに出会わなければ、幸せで平凡な人生を送っただろうにね。
けど、信じてもらえなくていいから、書こうと思う。99%信じてくれないだろうけれど、やっぱり残りの1%を、俺は信じていたんだ。


竜ヶ峰帝人君。
君が、好きです。


折原臨也



作品名:三通の恋文 作家名:夏野