魔女と食事
けらけらと笑うイギリスをはじめは不思議そうに見ていたアメリカだったが、すぐにハッとした様子でナイフとフォークをテーブルの上に投げ捨て、傍まで走り寄ってくる。そしてぎゅうとイギリスの右手を両手で握り締めた。
「違うよねっ! イギリス、そんなことしないよねっ」
「あたりまえだろ?」
「そうだよねっ」
よほど信憑性があるような言い方をされたのか、アメリカは長年の心づもりが取り除けたとばかりに興奮している。落ち着かせるために抱き寄せて背中に腕を回すと、幼い手がぎゅっとイギリスの服をつかんだ。
「なにを言われたのか知らないけど、俺がおまえにたくさん食べさせるのは早くおおきくなってほしいからだ。いいな、アメリカ」
「うんっ!」
輝くような笑顔につられて、イギリスもおなじように笑った。