二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

地にありて

INDEX|2ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

「なんだよ…。」
「気晴らししたいのならいくらでも協力するが…。」
「それは根本的な解決にはならないだろ…。」

「ではカウンセリングでも受けるか?」
「医者は嫌いだ…。」
「ナナイにそう言うんだな。」
「聞いてくれないよ。」

「女性に弱い…。」悪かったね。
「女性には優しいし。」何を言うやら。

「わたしにも優しくしてくれ。」と言って手を取る。
「…既に甘やかしすぎると言われてるんだけど。」引かれるままに立ち上がりそのまま腕の中に納まる。

「誰に?」
「女性陣に。」
「きみはどう思っているんだ?」
「う〜ん。失敗したかとは思ってるけど…。」

「何を?」
「好きにさせすぎた…。」
「今更何を…。まだ足りないと思っているのに。」

「何が足りないって?」
「愛が。」うわー。本気で言ってるな…。

「…在庫がありません。」
「仕入れなさい。」どうやって?と言うかどこから?自分で言っておいて眉間に皺。

右手が耳から顎に触れる。くすぐったい。
「肌が荒れてる。」
「…はい?」

「手触りが悪い。」
「なんだよ?」
「ストレスか。問題だな。」おーい…。それはどう言う基準だよ。

にっこりして「汗ばむと吸い付くような肌触りが気に入っている。」
「…どスケベ。」

「探究心に富んでいると言ってくれ。きみが飽きないよう気を使っているのに。」
「そんな気を使ってくれなくていいんだよ。どちらかと言うと加減して欲しいんだけど。」飽きるとか言う以前に凄く疲れる。

「十分加減しているだろ。」あれでか!
「もっと加減してくれ。」

「そんなに負担か?時間かけて傷つかないようにしているだろ。」その時間かけ過ぎてるのが体力奪うんだと言わなくても分かってるだろうにと思うと腹が立つのでつい睨みつける。

「きみが感極まって涙を流すのをみるのが好きだ…。」そんな嬉しそうに言われても。

「悪趣味。」
「わたしのものだと実感できる。」
「…何でそんなに不安になるかな…。」相変わらず物扱いか…。ま、いいけど。

「恋しいからだ。」
「何でもその言葉で片付けてないか?」
免罪符になるのか?恋って言われてもなあ。訳わからん。

「好きにして良いって言っただろ?」
「だから加減してくれと言ってる。」そうじゃなきゃ投げ飛ばしてるぞ。

世の中話し合いが基本だろう。とは言え言いたい事を言い合うのは話し合いとは言わない。程遠いかな…。

溜息を押し殺すと気配に気がついてむっとする。勘のいいこと…。がしっと腕を掴んで顔を覗き込む。

「この状態で溜息吐かれると否定されているような気がする…。」
「疲れてるだけだ…」
「わたしといると疲れるというのか。」

「時々。あなた一日中側にいてよく疲れないな。」
「きみはわたしの一部だから。疲れるわけが無い。」
「だったらがっつかなくてもいいだろ。」

「味わっているだけだ。」あー言えばこう言う。なんて達者な口だ。心底疲れる頭が痛い。
「話にならないな…。」胸を押して離れようとすると腕に力を入れて抱きこもうとする。早々毎度付き合ってらんない。
反転して身を沈め腕を引いてソファに倒して胸の上に座り込む。

「重いぞ。」
「最近ストレス太りかも。頭痛いから先に休ませてもらうよ。後片付けしておいて。」言い捨てて薬を飲んでベッドにもぐる。
本当は寝室も分けたい所なんだけど後が怖いし…。早く薬効かないかな。

              

「逃げられたか。」ソファから身を起こして言われたとおり片付ける。確かに最近顔色が悪いな。
肌も荒れている。疲れ易くなっているようだ。ストレスか。何がそんなに気になるんだ。緊張が途切れたのか?
最初から緊張していたとは思えないが…。

寝室に行くと端の方で丸くなっている。覗き込むと眉間にしわよせて寝ている。相変わらず寝つきの良い事だ。

しわの所をつついたが起きない。より深くなってしまった。疲れると言われていささか傷ついてるんだが…こんな風に丸くなられるのも好きじゃない。

背中向けられるのも。丸ごと抱きかかえて安心する。こうしていれば朝一番にアムロが見える。

           

毎日抱えられてよく眠れるな自分…。おまけにキスで目が覚まされる…。慣れか?どうせならすっきり目が覚めたほうが嬉しいんだが…。

「う…ん…」歯ぐきをなぞる舌が気持ち良い…。ボーつとしてると朝からえらい目に合うのでさっさと逃げ出さないと…。

とりあえず髪を引っ張って止めようとすると指を絡めとられキスが深くなる。驚いて目を見はると片方の手が脇から下にのびて下着を脱がしにかかる。

焦ってもがくと半端に脱がされて上半身は動けなくされてるし…強引なのは何時ものこととは言え仕事にいけなくなるのは困る。

そう思ってるのがわかっているのかキスを深めたままなぞるように愛撫をして抵抗する体を焦らしながら宥めていく…。

文句も言えないわ容赦なく追い上げられるわ…力がぬけたのを見計らって性急に入ってくる…。

「っう…。」硬く眼を瞑ってるのをキスで宥めて名前を呼ばれる。

「アムロ。目を開けて。」仕方なくあけるが焦点が合わないので眉を顰めてしまう。じっと見てるようだがすぐ動き出す…。
体の奥から湧き上がる感覚は止めようもなく次々与えられる刺激になし崩しに流されていく。

恥じる気も止める気も無いが場所や時間は気になる。頭の隅にあるのが気に入らないのかより動きが早くなり浅く深く突いてくる。
あえぐだけあえがされる…。だめ…ついてけない…。

             

気がつくと日はとうに高く上がっている。身奇麗にして寝かされてる。まめなやつ…。
水と一緒にメモが置いてある。『病院に行きたくないなら休め。』病院は嫌いだけど行かないのはそれだけじゃない。

この体で医者に見せられるか。この間の検査だって肌さらさないと言う約束で見てもらってんだし。

カウンセリングだけなら良いかというと医者との相性もある。余計な詮索はされたくないしフラッシュバックはなあ…。

絶対起きないと言い切れないところが。むしろMsに乗ってるときに起きないのが不思議と言われてる。

多分切り替えが徹底してるからだと思うんだがそれならなぜフラッシュバック起こすのかが今度は問題に。

まあ人間だから。色々あってあたりまえかと。人生万事塞翁が馬。考えてもわからないときは考えない。
ずっと気にしてればわかるときが来るだろう。それより何か食べよう。


軽く食事をしながら夕べの言葉を考える。やさしくかあ…。
べったりくっついてくるし四六時中見られてるので距離感がどうもつかめない。少し離れてくれないとやさしくなんか出来そうもない。

苛めてるみたいで気が重い。って言うかストレスの所為で苛めてる?あーガキじゃあるまいし…。

コロニー内の天気は決められてる。今日は薄曇で一時雨。余計気が重くなる。窓を開けてベランダに出る。

雨が降ってきた。濡れて緑が濃くなるのをボーつと眺める。ついそのまま庭に下りる。
濡れながら花を見てると傘を差し出され目の前で何輪か切って手渡される。

「あの…?」ここの花は切花用ではないはずだけど。
作品名:地にありて 作家名:ぼの