デジキャラット・シンフォニー
「食事は大勢のほうが楽しい」
「朝っぱらからたこ焼きと串カツかよ」
「おいしいぴょ」
「大阪名物だからね」
「そうね、せっかくきたんだから食べないと」
え、とでじこは声を上げた。
「あかりにょ」
「はい、うさだあかりです、おじゃましてます、平田先生」
「ところで、なんでおねえちゃんはあわててたのかぴょ」
「そうだったにょ、みんな聞くにょ」
「でじこちゃん、後は私が説明しよう」
そう言うと平田先生はみんなよく聞けと言い出した。
「単刀直入に言おう、ここ数ヶ月のうちに世の中が劇的に変わる前兆が現れたのだ」
「なんですって?」
「私は歴史学者だから分かるが、過去の歴史において世の中が変わったという前兆には常に白い虹が現れて太陽を貫いたとある。それが今日の朝、出たのだ」
「なんだぴょ?それじゃぴよこたちがお金持ちになるのかぴょ?」
「お金持ち?」
「こいつら貧乏なんだにょ」
「なるほど、それもあるかもしれない。逆を言えばあかり殿がアイドルから転落することもありうる」
「あかりが女優じゃなくなるのかにょ?」
「それくらいの変化が世の中で起こるということだ」
「ところで、あかりはどうしてここにいるのかにょ?」
「はい、親友がトップスターになったので公演に招かれたんです」
「あかりの親友かにょ、大女優かにょ?」
「ええ、平田先生はご存知でしょうけど」
「平田先生と関係あるのかにょ?」
「そういえば私にも招待状が来ていたな、あかり殿の招待券は?」
あかりはバッグからポスターを取り出した。
「美香が出るから楽しみなんです」
「そうだろうな、私もうれしくて10枚買った」
「美香ってだれにょ?」
「ああ、私の姪で、あかり殿の親友だ、今は劇団員をやっている」
「劇団員かにょ、まあ、女優には近いにょ」
「で、今度美香がトップスターになったから」
「公演があるんだよな、ん、今日ではないか。しまった、それで来たのか」
「はい」
「チケットは私が10枚あるが、あかり殿はいいとして、全員入れるな。よし、今日は観劇と行こう!」
「平田先生ものんきだにょ」
「それはおまえにゅ」
「そうね、ん、ちょっと待って、平田先生、このチケットちょっと見せてください!」
「うさださん、今日の日付で間違いないと思うが、どうかしたのか?」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 作家名:細川智仁