デジキャラット・シンフォニー
「こ、これって、ちょっと、宝塚歌劇団花組公演って書いてあるじゃない。あかり姉さまの親友って・・・」
「美香は宝塚のトップスターなんだ」
「えええーっ」うさだはその場に倒れた。
「うさだのやつ、何驚いているんだにょ?」
「冗談じゃないわよ!宝塚なんていったら超有名な劇団じゃない!」
「そう、はっきり言ってあかり殿など目じゃない。それくらいレベルが違うんだ」
6、宝塚に行くにょ
でじこたちは上本町からバスで梅田に行き、そこから阪急電車に乗った。
「私も昔は女優学校に行こうとがんばっていたの、でも3回も落ちちゃって・・・」
「あかりでもそんなことがあったのかにょ」
「2回目の試験で一緒に受験したのが美香なの。すぐ仲良くなれたわ。おじ様が東大教授というから頭よかったのかなと思ったけど。一緒に勉強して次の年に美香だけ受かって、あたしは落ちちゃったの」
「その女優学校、でじこも入りたいにょ」
「あんたなんか無理よ!あかり姉さまでも3回も落ちたのよ!」
「でじこなら受かるにょ」
「そう言ってる奴が実際は落ちるものにゅ」
「その通りだ、あの学校はそう簡単に受かる学校ではない。50人受けて一人受かるかどうかの学校だ」
やがて、列車は終点の宝塚についた。
「ほー、何もかもおしゃれな町にょ」
「あたし、この町が大好きよ、美香と一緒に苦労した町だもの」
改札口の前には袴姿の女性が立っていた。
「美香!」「あかり!」
二人は抱き合って再会を喜んだ。
「久しぶり、元気だった?」
「うん、トップスターになったんですって?」
「あかりも女優になったのね」
「あれが平田先生の姪御さんかにょ?」
「古い格好だにゅ」
美香はあら?と目を横にやると表情を変えた。
「あかり、ちょっと後でね」
美香は平田先生の前に進むとその場で正座した。
「叔父様、お久しぶりでございます」
「美香、よくここまで辛抱したね。あかり殿も喜んでくれたよ。私への挨拶はもういい、久しぶりに親友に会えたんだ。再開を心ゆくまでたのしむがよい。あかり殿のところへ行ってやれ」
「はい」
美香は一行を喫茶店に案内した。
「ここはあかりと二人で女優学校の試験の勉強をした場所よね」
「苦労したんだにょ」
「叔父上、その子たちは?」
「はーい、あかり姉さまのいとこです」
「うさだにょ、で、こっちがぷちこ」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 作家名:細川智仁