デジキャラット・シンフォニー
「そして私の教え子、でじこちゃんだ、この子には特に目をかけている。よく見たまえ、でじこちゃんの目の輝きはすばらしい」
「叔父上がそんなに目をかけるなんて」
「美香、そろそろ劇場に入らないといけないんじゃないか?」
「でもあかりとせっかく会えたんだし、叔父上、楽屋まで一緒に行きませんか?」
劇場の楽屋には「平田美香さんへ」とかかれた花束がいっぱい積まれていた。
「すごいにょ、さすがはあかりの親友にょ」
「では私らはここで失礼するか」
「でも変ね、おっかけとかいないの?」
「いるよ、そこに」
といって、平田さんは指をさした。すると確かにカメラを構えた人がいる。
「宝塚のファンには厳しい規則があってね、静かに写真を撮ることのみ許されているんだ」
「騒ぐわけじゃないのかぴょ」
「さあ、劇場へ入ろう」
「まだ公演まで2時間あるじゃない」
「劇場内ではいろんな楽しみ方があるんだよ」
劇場の2階には博物館があった。
「いつもはここで時間をつぶすんだ」
「ほう」 BG団の3人は展示物に見入っていた。
「しかし、こんなののどこがいいのかわかんねえな」
「やはりおまえら3バカトリオにょ」
「言ったな!デジキャラット!」
「クウ!すばらしい世界だぴょ!」
一通り博物館を見ると、向かいの店に向かった。
「さあ、女の子たちはこの中へ」
「なにかにょ?」
クウが平田先生に尋ねた。
「どうして俺たちの正体が分かったんだ?」
「まさか、デジキャラットがばらしたのでは?」
「ふふふ、そうではない。君たちの正体は一発で分かった。まず獣医殿の肩には動物の毛が付着していた」
「あっ!」
「医者たるもの清潔第一でなくてはいかんな、歯科医殿も同じだ!」
「え?私にも何か?」
「歯科医殿は金属の粉がついていたし、強い消毒液と麻酔薬と血のにおいがした。これは歯科医以外考えられない」
「おおっ!」
「内科医殿は内服薬のにおいがした」
「げっ、すると俺たちの正体はバレバレだったことになるぜ」
「そういうことだ」
「恐るべし!平田道明!」
「なるほど、すごい先生だぴょ」
「ピョコラ様、そのお姿はいったい?」
「みんなで衣装を着て写真を撮ったぴょ!」
「かわいいですよ、ピョコラ様!」
「すごいぴょ!おまえたち!今日からぴよこは平田先生を師と仰ぐぴょ!平田先生の命令はぴよこの命令と思うぴょ!」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 作家名:細川智仁