デジキャラット・シンフォニー
「ぴよこちゃんはベルサイユのばらを選んだか、もっとかわいいの選ぶと思ったが」
「いえいえ、十分かわいらしいですとも」
しばらくしてでじこたちが姿を見せた
「どうかにょ」
「おお、風と共に去りぬのスカーレット・オハラか、無難なところを選んだな。ぷちこちゃんもか」
「うさだは男の人の衣装にゅ」
「いーじゃない!宝塚といえば男役なんだから!」
「そういえばあかりはどこにょ?」
するとあかりが出てきた。
「はーい」
「あかり殿はトゥーランドットか、いいセンスしている」
「美香とよく舞台練習していたんです」
「平田先生、これは・・・」
「ここはね、実際の衣装を着て撮影ができる写真館なんだよ」
「平田先生、皆さんで記念撮影はいかがです」
「美香がいないのが残念だが」
「しかたないにょ」
「呼びましょうか?」
写真館の人が楽屋に電話をかけると、美香と一人の男役が駆けつけた。
「美香、すまんな、忙しいときに」
「写真だけでもあかりと共演がかなえば・・・」
「それに一条さんまで・・・」
「わー本物の男役よ!」
うさだが騒ぐと、男役は「激!」といって騒ぎを鎮めた。
「じゃあ、みんなで記念写真だ」
「まるで華麗田さんがいっぱいいるにょ」
「すばらしい舞台にゅ」
「静かにしなさいよ!こんな席座れるなんて一生ないんだからね!」
公演が終わって、でじこたちは楽屋を訪ねた。
「すごかったにょ、さすがあかりの親友にょ!」
「美香、出世したな。ただ一つ心残りというか足りないことがある」
「がんばって男役トップになりますよ!」
「いや、私は美香があかり殿と共演する舞台が見たい」
美香はちょっと顔を赤くした。
「ところで叔父上、今夜はどうされるおつもりですか?」
「今夜は三宮に宿を取ってある。あかり殿は知らんけどね」
「ぴよこたちの分はないけどにょ」
「ぴよこたちの寝る所はどうすればいいんだぴょ!」
「おまえらその辺にねるにょ!」
「じゃあ、ぴよこちゃんたちは私と一緒に来れば?今日は宝塚温泉に宿を取ってあるの」
「いくぴょ!」
「でじこもいくにょ!」
「ちょっとでじこ!」
「仕方ないな、今日はステーキはキャンセルするしかないか・・・」
「ステーキ、ちょっと待つぴょ!」
ぴよこが平田先生のそばに来た。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 作家名:細川智仁