デジキャラット・シンフォニー
「魚みゃー」
「みけ、おまえまた魚を追っているのかにょ?」
「でじここそなにしてるみゃ?」
「ここでコーヒーを飲もうとしたにょ」
「でじこちゃんのお友達かい?」
「デジキャラット星で一緒だったみけにょ」
「お魚屋さんの娘にゅ」
そこへ寝たままの女の子が落ちてきた。
「りんなも一緒だったのかにょ?」
「おはようございますみゅ」
「マスター、ラテ2つ追加、都合10杯!」
「こいつはみけといってお魚屋さんの娘だにょ」
「地球に修行しに来たみゃ」
「そして、こいつがりんな、ケーキ屋さんの娘にょ」
「おじゃましますにゅ」
「ほう、これはこの街にふさわしい子が来たね。私の名は平田道明、東京大学教授だ」
「偉い大学の先生にょ」
「これはこれは・・・」
「しかし、なんでここにきたにょ?」
「魚を追ってきたというなら不思議じゃない」
「え?」
「この神戸は海の幸が豊富な町だからね」
「そうなのかにょ?でもおまえらは足手まといになるだけにょ。でじこたちは今から独裁者を倒しに行くんだにょ」
その時平田先生はみけの目を見た。
「でじこちゃん、この子は使えそうだ」
「みけは使えてもりんなは寝てばかりで役立たずにょ」
「そういえばケーキ屋の娘といったね」
「はいみゅ」
そういうとりんなはケーキを差し出した。
「ほう、これはおいしいな」
「寝てばかりだけれど、りんなのケーキはおいしいにょ」
「それならしばらくこの町で修行したらいい。神戸の町は南は大貿易港でケーキに必要な小麦粉はいっぱい入ってくる。特にコーヒーはいくらでも入ってくる。
町の北側には牧場と果樹園があり、フルーツ、乳製品、リキュールが手に入る。
ケーキ作りにこれ以上適した土地は他にない」
その時一人の若者が入ってきた。
「先生、えろうすんまへん。焼き上がりが遅れましてん」
「生田君!おそいぞ!」
するとりんなは立ち上がった。
「先生のパティシエみゅ?」
「紹介しよう!私の教え子で全国パティシエコンテスト優勝の生田守君だ!
三宮で「ラ・ピュセル」という店を経営している」
「ほえー、さすがは平田先生にょ。教え子もすごいにょ」
「生田君、ものは相談だが、しばらくこの子を預かってくれんか?」
「先生の頼みなら断れへんけど、何か事情があるんか?」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 作家名:細川智仁