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デジキャラット・シンフォニー 2

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みけは駅長さんたちの計らいで特急列車に魚をいっぱい詰め込んだ。

1時間ほどして、みけの乗った列車は中川駅に着いた。すると別の賢島行き特急列車がそこへやってきた。
上本町からの特急に乗ってきた客がここで名古屋行きの特急に乗り換えるのだ。
見ると、なぜか鍋やケーキの材料を運んでいる人がいる。
やがて女の子を抱きかかえた人がやってきた。
「りんなみゃ」
「おはようございますみゅ」
午後5時を回っていておはようもないが。
特急列車は中川駅を出発し、1時間後には近鉄名古屋駅に着いた。
「ここからはどうやって行こう・・・」
「自由席でも乗るか」
そう言って改札を出たとたん、みけとりんなは見覚えのある顔に出くわした。
「美香さんみゃ!」
「あかり先生もいるみゅ」
ストロベリーの二人は映画のキャンペーンで名古屋に来ていたのだ。
二人は新幹線で東京に戻るというので、みけとりんなたちも便乗させてもらうことにした。
「りんなは平田先生の息子さんにおいしいケーキを食べてもらいたいにゅ」
「だけど、ケーキなんてそう簡単に作れるものじゃないでしょう?」
しかし、生田はあらかじめスポンジケーキの材料を店で仕込んで、特急列車の中に電子レンジまで持ち込んで焼いていた。おまけに列車のゆれまで利用してホイップクリームまで作っていた。
「さらに、平田道明先生直伝の生地があるで」
生田はさらにクロワッサンの生地まで仕込んでいた
「新幹線の中で成型発酵まで持っていくで」
パン作りには3段階の発酵がある。生田はまず三宮で材料を仕込んだ直後に列車に乗り、上本町からさらに東、青山トンネルから榊原温泉にかけての間で一度ガス抜きをして、中川駅で乗り換えて新幹線に乗るまでにもう一度発酵させた。そして新幹線が静岡県内に差し掛かる頃にもう一度ガス抜きを行い、生地を伸ばして三角に切り、間にバターを丹念に挟んでクロワッサンの形にした。ここでもう一度発酵を行い、町田の久弥の事務所で焼き上げようというわけだ。
みけたちも負けてはいなかった。次々と駅長さんたちが大まかに魚を賢島でさばいたあとは、続々と刺身用や焼き魚用に加工していった。
このため、乗る列車は時間のかかる「こだま」になった。
列車が浜松に入った頃、美香が知らせた。