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デジキャラット・シンフォニー 2

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「よいか、くれぐれもみなおごるでない、父上は愛知万博に銅像を建てたが、私については銅像は作ってはならない。小さな肖像画をかけて時々思い出すが良い、門司から出て一代で学者になった父上と東京都知事にまで上り詰めた久弥は、もとは一市民から出たものであるということを・・・。みんな、陽明学の教えは覚えているか・・・『知行合一』忘れるではない・・・うさださんは教師、ぴよこちゃんは僧侶、ぷちこちゃんは女優になるが良い・・・・」
「ぷちこが女優かにょ」
「そして、でじこちゃんは私の跡を継いで、政治家になるのだ。父上が夢見た新しい世の中を作ってくれ、後はまかせたぞ」
そういって久弥はでじこに一冊の本を渡した。
「これは父上が生前書き残した『道の行く末』と言う本だ。父上が書き残したものに私が追加したら5巻、72章にまでなった。これを授けるのはでじこちゃん以外いない。
それを持ってこの星の行く末を見守るがよい。すでに一部成就した記述もあるが
私の死後50年以内にこの本の72章全部の記述の通りのことが起こるはずだ」
「久弥さん・・・」
久弥はでじこにオルゴールも渡した。それはふたに南十字星の絵が描かれ、ふたを開けると「ワルティング・マチルダ」のメロディーと共に六甲山から見た夜景の景色が浮かび上がるようになっていた。
「もし原口が何か起こしたら、神戸三宮の美香を頼るが良い。三宮にたどり着いたら美香に六甲山に連れて行ってもらえ。美しい景色を見ることができるだろう。また、私の墓は美香に頼んで六甲山に眠る父の隣に父の墓より少し小さく建ててほしい。できればもう一度地上で見ておきたかったな・・・六甲山の夜景・・・」
久弥は床に伏し、天を仰いだ。
「これで全部済んだか・・・結局私はこの地上では父上を越えることができませんでした。父上、申し訳ございません、父上の夢を形にしようとしましたが寿命には逆らえません。あとは父上が見いだしたでじこちゃんに全てを託して父上のおそばに参ります・・・」
それが久弥の最後の言葉となった。
「久弥さん!」
だが久弥が再び声を発することはなかった。東大教授・平田道明の子、東京都知事平田久弥は立川で息絶えた。
だがこれを見逃さなかった男が一人いた。原口恒雄である。

8.江ノ島の悲劇
清瀬で待機していた原口は大喜びした。
「皆の者、久弥が死んだぞ!」
「まさか?」