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デジキャラット・シンフォニー 2

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ゲーマーズ町田店からほど近いところに川が流れている。でじこたちはそこからボートに乗った。
「あかり、どこへ行くのかにょ?」
「美香の所よ」
「え?」
「みんなで神戸に渡りましょう」
「このボートでどうやって神戸にいくのよ!」
「この川は江ノ島まで通じているわ、そこからヨットで神戸へ向かいましょう」
でじこは町田の方角をずっと見ていた。
「平田先生が言ってたにょ。『支配者は永遠にその土地を支配することはない。歴史は必ず変わるものだ』独裁者を倒して歴史を作ったでじこだにょ。お前らよく聞いておくにょ。今まで平田先生の言うことが外れたことはないにょ。お前らも独裁者と同じようになるにょ」
「平田先生の天罰が下るにゅ」

でじこたちは江ノ島にある湘南ホテルに身を寄せた。ここには平田先生の三男で久弥の弟の平田和彦が板前として働いていた。
和彦の得意は豆腐入り赤だし味噌汁。木綿豆腐を細かく四角く切るのは和彦の得意技で「江ノ島切り」とさえ呼ばれていた。その料理は兄の久弥、父の道明、その師の尾崎先生と比べて華はなかったが、茶道のように奥深い幽玄の世界をかもしだしていた。
「そうですか、兄上が・・・」
「なんとか神戸に逃げる方法はないかしら?」
「それならこの江ノ島にあるヨットハーバーのヨットの都合をつけましょう。船で逃げれば何とかなるでしょう」
翌日、和彦は江ノ島の山の中腹にある鳥小屋へと急いだ。
和彦は鳥小屋でニワトリを放した。
「ここには鳥小屋がないのかにょ」
「そうか、君たちは養鶏場の鳥小屋しか知らんな。九州ではどこでもニワトリは昼間は放し飼いにしていたもんだ」
だが、魔の手はこの島にも迫っていた。
夕方、鳥小屋の鳥たちが騒ぎ出した。おまけに夕食の時間になっても和彦さんの姿が見えない。でじこたちがホテルの厨房へ行くと、そこには血を流して倒れている和彦さんがいた。
「みんな、にげましょう!」
あかりはヨットハーバーまででじこたちを導くと急いで全員船に乗せた。それを狙って原口の腹心、榊原たちが追いかけてきたのである。
全員が船に乗ったのを確認するとあかりは船の綱を切り、外洋へ出航した。
「うてっ!」
榊原たちは一斉にライフル銃を発射した、しばらくしてその一発があかりの胸に当たった。
「あかり!」
「でじこちゃん、あと、お願いね・・・」
その言葉を残してあかりは息絶えた。