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デジキャラット・シンフォニー 2

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「久弥さんもこの夜景を見るのが大好きだったの。だから阪神大震災で神戸が大被害を受けたときはがっくりきたそうよ」
「いつも何が起きても動じない平田先生がですかにょ」
「私は女優学校のとき、あかりと一緒にここに来るのが楽しみだったわ。ここなら思い切り歌の練習ができたし、光を浴びるとなんでもできそうな気がしたの。神戸は日本で一番美しい町よ。空から見ると地上にたくさん星が見えるのよ」
「あの光の向こうには平田先生の南十字星があるにょ・・・」
「私は小さいときから女優にあこがれていて、反対する親とけんかして家を飛び出したの。宝塚の安アパートにあかりと二人で暮らして、あの頃はとっても貧乏だったわ。昼はバイト、夜は二人で練習の毎日だったわ。本当につらくなると上本町に住んでいた伯父上にお金を借りたりもした」
「苦労したにゅ」
「私が受かってからは私は女優学校の寮に入り、あかりはそのまま東京へ帰ったわ。女優学校の寮では外出は禁じられていたからバイトはできない。伯父上は学費を出してくれた上、奨学金の手続きまでしてくれたわ。宝塚のトップスターになって全部返したけど」
「美香さんも平田先生のように苦労されたんですね」
「平田家は代々苦労して出世した人が多いの。久弥さんも小さいときには難病に苦しんで病院からでたこともなかったほどよ」
美香は立ち上がると「時の流れに身をまかせ」を歌いだした。
「素敵な曲にゅ」
「本当はもう一度あかりと歌いたかったんだけど・・・」
「美香さん、あかりの前で歌ってあかりもきっと喜んでいるにょ」

六甲山を降りたあと、美香とでじこは早速AM神戸を訪れた。
「あっ、平田美香さん・・・」
「社長はどこ?」
「なんでしょうか?」
「今すぐ緊急放送をやります!スタジオを貸しなさい!」
「え?ちょっと」
「早く!生放送で!」
「は、はい」
美香とでじこはスタジオに入るとマイクに向かって話し出した。
「ラジオを聴いている全国の皆さん、平田美香です。重大なお知らせがあります。私の親友、うさだあかりが江ノ島で原口恒雄派の襲撃を受けて殺害されました」
でじこもスタッフも美香のしゃべり方にただ呆然とするばかりだった。