デジキャラット・シンフォニー 2
王様はぴよこには仕事をたいして与えずに本やお菓子を与えて世の中のことを勉強させることにした。やがて王様がトヨタ自動車の工場を視察することになり、王様はぴよこに自動車工場を見せようと自らぴよこを連れて工場を視察された。
そんな時に原口が騒動を起こしてでじこたちを襲ったのである。原口にしてみれば王様も自分の計画を実行するのには邪魔だが、かといって自分が王様を殺してしまったら自分に従う部下たちがついてこないのは目に見えていた。そのため一連の騒動は王様の留守を狙って起こしたのである。
このため王様は東京の宮殿に帰れなくなり、時間を取ってすみずみまで工場を見て回った後は京都にある宮殿に避難していたのである。
「おっ、ぴよこちゃん。王様がお呼びだ」
杉本侍従が来て風のようにぴよこをさらっていった。
宮殿では王様がぴよこの帰りを待っていた。
「花散里(ぴよこ)、今日は町へ出たそうですね。面白いものでもありましたか?」
「でじこおねえちゃんに会ったぴょ」
「王様、さいぜんの騒動を治めるべく旗揚げをしました須磨(平田道明)が姪、若紫(美香)の一派が京の町まで来ておりまして・・・」
「なんですと?須磨(平田道明)の姪、若紫(美香)ですか?」
「王様、ご存知でしたか?」
「若紫(美香)は宝塚歌劇団の有名女優と聞きます。そうですか、早速、若紫(美香)を宮殿に召し出しなさい。わたくしが自ら激励して差し上げましょう」
「ははっ、それでは花散里(ぴよこ)と共に」
「でじこおねえちゃんも呼ぶのかぴょ?」
「でじこ?」
「はい、今回の平田一派の首謀者はショコラ・デジキャラット、通称をでじこと申しまして
須磨(平田道明)が生前から特に目をかけていた人物であります。蛍(久弥)が逝去に際して自らの後継者となした人物だそうにございます」
「ますます楽しみですね。その人物も宮殿に召しだしなさい」
「はい、かしこまりました」
「と、いうわけで平田美香、ショコラ・デジキャラットに対し王様から宮殿にお召しがあった。明日京都宮殿にて王様直々にお会いになられる」
翌日、でじこたちを迎えに馬車がやってきた。
馬車は宮殿の玉砂利を踏みしめ、宮殿南側の車寄せに着いた。
さすがの美香も緊張していたが、でじこは平気だった。
「王様の宮殿というからどんなに豪華と思ったけど、広いだけで豪華じゃありませんにょ」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 2 作家名:細川智仁