デジキャラット・シンフォニー 2
「はい、かしこまりました」
やがてワゴンが山のような荷物を運んできた。それは大量の絵葉書だった。
ホテルマンたちはでじこたちに絵葉書を配った。
「それでお母様たちにお手紙書くのよ」
部屋にこもったでじこたちは早速葉書を書きはじめた。
「父様、母様、でじこは元気だにょ・・・」
名古屋についたでじこたちは、伝令の報告を受けた。
「申し上げます、原口派が東名、中央道を固めて東京への道を塞いでございます」
「それじゃ下手にこのまま進むと大被害になるわね」
「美香さん、どうするにょ・・・」
その時、久弥からでじこがもらった「道の行く末」のページが開いた。
「国道153号・・・」
これに気付いた渡辺は地図を広げた。
「名古屋からは高速道路を使わず長野へ入るのです」
「どうやって?」
「この道は名古屋から豊田市を通り愛知高原を経て飯田市に至り、終点は塩尻です」
「それだと塩尻から中央高速か国道20号を通ることになるけど、どちらにしても原口さんが守りを固めているでしょう?」
「ご心配には及びませぬ、どちらの道も通らず東京に入って見せましょう」
12.しんぺいとうざと小林知事
でじこたちは駒ヶ根市に入り、光前寺というお寺を訪ねた。
「美香、大変な時に良くここまで・・・」
「おば様・・・」
「どういうことかにょ?」
「紹介するわ、このお寺を守っている信子おば様」
「美香さんの親戚かにょ?」
「おば様、でじこちゃんよ・・・」
「おうおう、兄上が目をかけていた・・・うわさは聞いていますよ・・・」
「すると、信子さんは平田先生の妹さんで、美香さんのおばさんかにょ」
「離婚してここにいるけどね・・・」
「平田先生の妹さんならさぞかし立派なだんなさんだったんですかにょ」
「ええ、若いときは・・・」
その写真を見たとき、でじこたちは驚いた。
「ちょっと若いけど、誰かに似ているゲマね」
「何を隠しましょう、私の夫は原口恒雄と申します」
「え?」
「平田先生の妹さんの夫が原口恒雄・・・ってちょっと・・・」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 2 作家名:細川智仁