二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

デジキャラット・シンフォニー 2

INDEX|39ページ/54ページ|

次のページ前のページ
 

「兄上も原口も元は優れた歴史学者でした。しかし実力は原口のほうが少し下でした。そのため原口は常に兄上を意識し、年を経るごとにうらみになっていたんでしょう。いつしか兄上と反対の説をとるようになり、それに都合の良い人たちにちやほやされて欲が止まらなくなりました。私がいくらいさめても聞き入れませんので数年前離婚して光前寺に隠れたのです」
「そうだったのかにゅ・・・」
「この寺には『しんぺいとうざ』の伝説があります」
「なんなのかにょ?」
「昔、光前寺にしんぺいとうざというたいへん強い山犬が飼われていました。その頃、遠州(静岡県)見付村では、田畑が荒らされないようにと毎年祭りの日に白羽の矢の立てられた家の娘を、いけにえにとして神様にささげる人身御供という悲しい習わしがありました。ある年、村を通りかかった旅の僧侶は、その正体を見とどけようと、祭りの夜に様子をうかがっていると、大きな怪物が現れ、「信州のしんぺいとうざおるまいな、しんぺいとうざには知られるな」などと言いながら娘をさらっていってしまいました。僧侶はしんぺいとうざに助けを求めようとすぐ信州へ向かい、信州の国中を回りましたが、そんな名の人は見つからなかったのです。僧侶は疲れて腰を下ろすと、寺の中からしんぺいとうざと呼ぶ声が聞こえました。しんぺいとうざとは犬の名前だったのです。
光前寺のしんぺいとうざをさがし出すと借りて急いで見付村へと帰りました。次の祭りの日には、しんぺいとうざが娘の身代りとなって怪物と戦い、それまで村人を苦しめていた怪物(老ヒヒ)を退治しました。しんぺいとうざは傷つきながらも光前寺までたどりつくと、和尚さんに怪物退治を知らせるかのように一声高くほえて死んでしまったのです」
「まるででじこたちにょ」
「いかに夫婦の間と言えど、暴力を以って人を従わせるのはもってのほかです。幸い、今の原口は平田を倒したことで有頂天になっています。おそらく人の忠告など聞きますまい。それ故に簡単に倒せるのです」
そういうと信子は一枚の紹介状を書いた。
「この長野の知事の小林さんは久弥さんの親友です。長野県内にいる限り必ず力になってくれます」

でじこたちは塩尻で長野県の小林虎次知事の出迎えを受けた。