デジキャラット・シンフォニー 2
原口たちが地上の四隊にすっかり気を取られているすきに、でじこは美香と一緒に福島空港からヘリコプターで池袋上空に来ていた。地上部隊は双方相手に気を取られていて上空を気にしている余裕はなかったのである。
やがて、でじこたちのヘリコプターはサンシャインビルの屋上展望台に降り立った。
「でじこちゃん、今よ!この旗を振って!」
「振ってと言われても・・・風が強いにょ・・・」
「下のみんなに分かるように、立てるだけでもいいの」
でじこは久弥から受け取った南十字星の旗を振った。
地上で戦闘状態にあった一同は驚いた。
「あれは・・・」
「平田さんの南十字星の旗だ・・・」
一番驚いたのは激しい戦闘をしてここまで来た渡辺華仁だった。
「おお・・・みんなよく見ろ!もはや原口政権誕生はない!勝ったのは俺たちだ!」
小林知事も驚いた。
「さすがは平田親子が見出した逸材でじこちゃんだ・・・ご先祖虎三郎様がおられたらでじこちゃんを教育したがったろうなあ・・・」
すぐさま渡辺と小林知事はサンシャインビルの展望台へと急いだ。
「でじこちゃん、これでわれらの大勝利が決まりました!」
「なに?だいしょうりにょ?」
「はい、直ちに地上に降りましょう!」
「それならすぐ逃げなきゃいけないにょ・・・」
でじこはあわてて逃げようとしたが、美香が押さえた。
「でじこちゃん、逃げる必要はないわよ。『だいしょうり』とは勝ちと言う意味なの」
「勝ち?でじこたちが勝ったのかにょ?」
「はい」
17.原口の最期
四隊は直ちに原口のいるプリンスホテルを囲んだ。
「原口!出てくるにょ!」
原口はプリンスホテルの前に出てきた。
「原口恒雄!伯父上を狙ったばかりか、久弥さんと和彦君まで殺すとは!それにあかりまで・・・」
「火をつけて久弥さんを焼き殺そうとしたばかりか、あかりを銃で撃ち殺した張本人はお前かにょ!絶対許せないにょ!」
「平田親子亡き後、たかが女の軍隊、一気にかたづけるぞ!」
「あかりを殺した奴はでじこが地獄へ送ってやるにょ・・・」
「待って、でじこちゃん」
美香は大声を張り上げた。
「原口さん!あんたがこの両方の大勢の人たちの前で『わしを殺せる者があるか』と3度叫ぶことができるなら、直ちにあんたの軍門に下るわ、だがその自信はないでしょう」
これを聞いて、原口は大笑いした。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 2 作家名:細川智仁