デジキャラット・シンフォニー 2
「その必要はないだろう。さすがは平田道明先生が見出した才能の持ち主だ。平田先生が未来を託すべき人物としたのが良く分かる。聞くところによると遠い国からやってきて苦労しておるとか?」
「プリンセスの修行をしていますにょ」
「どうして広隆さんは本物のでじこおねえちゃんを見分けられたのかぴょ?」
「私はこの作戦に参加するまでは小学校の教師だったんだ。平田先生に『おまえは教師になれ』と言われて小学校の先生になった。それが性にあっていたようだ」
「やっぱりインテリでしたかにょ」
「学校でいろんな子供たちを見てきたが、でじこちゃんを一目見たとき不思議な気分になった。私が教えてきた子供たちとは明らかに違う子だった。平田先生が目をかけるのは無理はない」
「あの場で本物のでじこおねえちゃんを捕らえていたら殺していたかぴょ?」
「さあね、いずれにしろ裏切りはやらなければいけなかったし・・・」
18.原口派始末記
だが、まだ一人残っていた。田無に陣を構える原口の腹心、榊原だった。
広隆が現れると榊原は言った。
「おお、一条君、待っていたよ。われらに味方して平田一派を倒すため立ち上がろう」
「榊原さん、もはやそのような状況ではないことがまだ分かりませんか?」
「何を言うか」
「原口が死んだ今となっては、平田が勝利を収めることはほぼ確実でございます。榊原様も速やかに武器を捨てて降伏なさいませ。多少の恥にはなりますが、平田の軍門に下る以外に生き延びる道はございません」
「この裏切り者が!」
「まだ分かりませんか!命を粗末にするくらいならば生き延びることを考えたらどうです!」
「ええい!かかれ!」
一斉に戦闘が始まった。
しばらくして榊原はでじこを捕まえて刃物を向けた。
「にょ、なんて奴にょ」
「これを見ろ!」
怒ったでじこは目からビームを連発した。しかしこれでは味方に損害が出るだけである。
「これはいい武器を持った」
「おまえのためにやってるわけじゃないにょ!」
その時、美香が言った。
「でじこちゃん、私に目からビームを撃って」
「美香さん・・・でも・・・」
「早く」
でじこは美香に目からビームを発射した。すると、美香は持っていた鏡を取り出してビームを跳ね返した。
「あれは・・・」
ビームは榊原の目に命中した。
「今よ!」
でじこは榊原の腕から逃げ出し、目からビームを強烈に浴びせた。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 2 作家名:細川智仁