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デジキャラット・シンフォニー 2

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次の土曜日、町田駅前には大勢の人が繰り出した。
「アキハバラよりすごい人出だにょ」
でじこたちはその多さに驚いてしまった。だがぷちこはそのほとんどが手にのぼりや写真を持っていることを見逃さなかった。
「ほとんどが平田先生の家来にゅ」
「でじこより久弥さん目当てかにょ」
でじこたちは店の正面に集まった。するとたちまちマスコミが久弥さんの周りを取り囲んだ。そのうちの一人がでじこを見てあっと声を上げた。
「知っているのか?」
「この子は生前、平田道明先生が大変目をかけられていた「でじこちゃん」だよ。平田先生は一時は自分の跡継ぎとまで称して政治家にしようとしていた子だ」
「父上は私をさしおいてそこまで・・・」
「久弥さん、気を落とすことないにょ」
「いや、父上が認めた以上は子として逆らうことはできない。私も初めてでじこちゃんに会ったときから「この子はただものではない」と思っていた。王女様とは聞いていたが、どうやら父上はそれ以上の才能を見いだしていたらしいな」
やがて開店となったが、久弥は店の前に特別な扉を用意していた。
「みなさん、これはわが父、平田道明が生前記した資料をもとに作った「平田道明の不思議な扉」です」
一同はそのみすぼらしさにあっけにとられていた。
「どこが不思議な扉かにょ?」
久弥はトーチを取り出した。
「今からここにある点火台に火をつけます。すると扉が開きます」
でじこたちは大笑いした。
「自動ドアじゃあるまいし、火をつけただけで扉が開きますかにょ」
「電気仕掛けのモーターでもついているんでしょ」
「それとも後に人がいるのかにゅ?」
「そんなことはしとらん!」
久弥は点火台に火をつけた。
だが、しばらくしても扉は開かなかった。
「いくら平田先生の発明でも火で扉が開くわけありませんにょ」
「扉を燃やしたほうが早いにゅ」
「いいや、必ず開きますよ。皆さんも扉の上にある父上の肖像に向かってお祈りしてください」
「お祈りしたって同じだにょ。少なくとも科学的じゃないにょ」
「でじこ、あれ見るにゅ」
ぷちこが指さした方を見ると、わずかだがすきまから光が差し込んでいた。そのすきまは徐々に広がっていき、やがてゆっくりと扉が開いていった。
「え?」
「にょにょっ!」
そして、扉は完全に開いたのである。
「ど、どうなっているのかにょ?」