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デジキャラット・シンフォニー 3

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平田先生がでじこに教えた大阪上本町の南十字星の伝説。上本町の空の上に南十字星が輝く時、世の中が変わるという。
「よし、すぐ上本町に行くにょ!平田先生の南十字星にょ」
「それが・・・テレビを見てください・・・」
「どうしたのかにょ」
テレビの画面に映ったのは紛れもなく上本町駅だった。
「ここ大阪上本町では伊勢神宮へ向かう人の列で朝からごった返しています・・・」
「にょ!?」
上本町駅は大阪から伊勢へ出発する列車の始発駅だが、列車本数が多い上に駅がとんでもなく広いため、めったに駅が満員になることはない。上本町駅から伊勢や名古屋へ出発する特急列車は万博などの大規模なイベントでもない限り過去40年間満席になることなどなかったのだ。
それは名古屋でも同じことだった。近鉄名古屋駅の窓口には朝から行列待ちの人がどっと出た。久弥でさえ「お陰参りでもない限り満員になることはないよ」とすら言っていたくらいだった。
「そのお陰参りが起きているのです」
「お陰参りってなんだにょ?」
「およそ60年周期で繰り返される「おかげ年」と呼ばれる年に起きる現象です。「おかげ年」には必ず社会不安が起き、人々は伊勢神宮に救いを求めに集まります。その力で次の時代が作られ、新しい時代が次の「おかげ年」まで続きます」
「おかげ年?」
「伊勢神宮を建て替える「式年遷宮」の3回目が経過したあと、「式年遷宮」が20年ごとですからその3倍、60年ごとに世の中を変えるのです。全ての世の中が新しくなる」
「式年遷宮とは?」
「伊勢神宮は2000年の歴史を誇ります。でも古代そのままの建物が残っているわけではありません」
「木の建物じゃ何十年が限界にょ」
「そこで20年ごとに建物をそっくりそのまま新しく建て替えてしまうのです。これが「式年遷宮」です」
「その手があったにょ!」
いきなりでじこが叫んだ。
「それにょ!いくら頑丈な建物を建てても必ずぶっ壊れるにょ!何の価値があるにょ!伊勢神宮は20年ごとに破壊するにょ!」
「伊勢神宮の御柱は最初の20年間は内宮で、次の20年間は神宮入り口の宇治橋の鳥居で、最後の20年間は桑名と関の鳥居となります。その60年が終わってようやく御役御免となるその時に、伊勢神宮のお札「神宮大麻」が空から降ってきたら「おかげ年」です」
そう言うと真紅は伊勢神宮のお札を出した。