デジキャラット・シンフォニー 3
だが、でじこだけが元気がなかった。
話のいきさつをぴよこから聞いた杉本侍従長は王様に報告すると、王様は蒔絵で書かれた箱を取り出した。
「これは生前、久弥が王様に預けていた王様と私あての遺言状です」
杉本侍従長は紐を解いて中の文章を見た。
「文章の内容は、でじこちゃんに六甲山にある久弥さんの墓を掘り返して中の指示書を見ろとある。その指示書にでじこちゃんが政治家になる方法を書いてあると言う」
これを聞いた一同はぎょっとした。
「じょ、冗談でしょ?久弥さんのお墓を掘るなんて・・・」
「そんなことをしたらたたりが起きます〜」
「平田先生の天罰が下るぴょ!」
「他に方法はないのですか?みんなで考えればきっと何かあると思います!」
うさだがそう発言した後で、でじこは静かに言った。
「久弥さんのお墓を掘る以外に方法はないにょ!」
この発言に一同は驚きの声を上げた。
「ちょっと、お墓を掘る気?」
「それ以外に方法あるかにょ?それに久弥さんのお墓を掘らなければ久弥さんの夢見た陽明学の世の中は生まれないにょ!久弥さんは陽明学の世の中をでじこに作らせる気で遺言を書いたにょ!でじこがお墓を掘らなければ久弥さんの言いつけに背くにょ・・・」
「たたりでも起きたらどうする気ぴょ!」
「だったらおまえらだれも来るんじゃないにょ!でじこが一人で久弥さんのお墓を掘り返すにょ。でじこがたたりで死んだら久弥さんのお墓はもっと立派なものを作って、でじこと一緒にうめて欲しいにょ」
結局、でじこと美香さんとぷちこと真紅の4人が六甲山の久弥の墓を掘り返しに出かけることになった。
「久弥さん、ちょっと騒がしくなるけど、がまんしてにょ」
でじこと美香はスコップを持って久弥の墓の発掘にかかった。
しばらくして、墓の中から「For Dejiko」と書かれた銀色の小さい箱が出てきた。
その中には「でじこちゃんへ」と書かれた手紙が入っていた。
「でじこちゃんへ
杉本たちから話を聞いただろうか、でじこちゃんなら必ずここにきてこの箱を掘り出すだろうと思っていた。
私は杉本に頼んで将来でじこちゃんが政治家の素質を試される時に使うテストを用意しておいた。
過去や周りの意見や流れに流されずに自分が正しいと思ったことを行える人間こそが政治家になって日本を救うべきなのだ。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁