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デジキャラット・シンフォニー 3

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でじこはそれが気にくわなかった。オタクが集うのもいい気はしなかったが、アキハバラが宝塚になるのはもっといやだった。実のところでじこが好きなのは宝塚歌劇そのものではなく「宝塚の大女優・美香さん」だけだった。女優が男装する「男役」はでじこにしてみれば軽蔑の対象ですらあった。だからでじこは劇団員たちに冷たく対応したため劇団員たちはうさだを指名して来店するようになった。
だが、劇団員たちが注目したのはうさだではなく真紅たちのバンドだった。
最初は人形楽団と言うことで物珍しさで見ていたが、やがて真紅たちの歌に感動するようになった。しかし真紅はタカラジェンヌではないため有楽町の東京宝塚劇場での公演は出来ない。それなら有楽町の駅前で一緒に歌いましょうと声をかけたのだ。これには真紅も賛成した。
「お前らだけトップスターたちと共演かにょ・・・」
夕方になると真紅たちはアキハバラから行進しながら有楽町へ向かった。

日没直後、まず真紅たちが歌いだし、次いで劇団員たちも加わった。
「久弥さん、私たちの声は届いてますか・・・」
「なんとか南十字星を出してもらうです」
ところがトップスターを見にやってきたでじこだけは冷ややかな目で見ていた。
「おまえらだけでやっているがいいにょ!」
ぷちこはでじこを尻目に空を見つめていた。
そして、真紅たちの歌「おおシャンゼリゼ」が始まった。
「マスター・・・」
「お願いします・・・」
「奇跡を起こしてくださいです!」
「南十字星・・・」
「有楽町の空に輝け・・・」

そして、3曲目の歌が流れた時奇跡が起きた。
「でじこさん、あれを御覧なさい」
真紅は空を指差した。見ると、それはでじこが上本町で見た平田先生の南十字星だった。
「間違いないにょ・・・お前ら本当に平田先生の南十字星を上本町から呼んだのかにょ?」
「マスターなら私たちの声を聞いてくれると思ってましたわ」
「とにかくこれで世の中が変わる、でじこさんが世の中を変えるです」
でじこは久弥さんの言葉を思い出した。
「父上に会いたいと思ったら、上本町へいらっしゃい。南十字星が見えたらそれが父上だよ・・・」
「久弥さん・・・でじこに陽明学の世の中を作れと言うのかにょ?」

蒼星石のアコーディオンが鳴り出すと、一斉にまわりから歌声が響いた。
「世の中おかしくなってしまったにょ」