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デジキャラット・シンフォニー 3

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「でじこおねえちゃん、待ってたぴょ」
「宮殿にはうるさいのがいるにょ」
こうしてでじこは王様から経済産業大臣に任命された。
「邦俊君、さすがだな。でじこちゃんを大臣にしてしまうとは・・・」
「10歳の女の子を政治家にするにはこれが一番早かった。それに内閣は過半数が国会議員で且つ全員が職業軍人の経歴を持たない人であればいいので「未成年者を大臣にすることを禁ず」との条文はないですからね」
同時に経済産業副大臣には平田邦俊が任命され、大臣秘書にはミルフィーユ秘書が就任した。
大臣や政治などでじこには訳が分からなかったが、真紅たちの目から逃れられるとなるとほっとしたのだろう。第一、真紅たちもそれどころではなかった。真紅たちのバンドの人気は高まり、時には新宿、渋谷、池袋まで公演に出かけたり、さらにはCDデビューも決まって大忙しだった。
真紅はでじこが大臣になったのも邦俊の策略と見抜いていた。だがそれが結局久弥の遺言を守ることであったため黙ってみていた。

さて、麻生首相の政治もすごいものだった。
「資本主義自由経済の徹底発展拡張」をスローガンに掲げた。
まず、あらゆる資格や制限を次から次へと撤廃した。そして企業献金を原則無制限受け入れとし、大企業に補助金を出すなど徹底的に企業優先の政策を取った。
「とことんまで資本主義自由経済の拡張理論を徹底的に展開する」
麻生首相のこの言葉は平田先生の考えと同じだった。

そのころ、でじこは大臣室で久弥の本を読んでいた。
「麻生さんがやっていることは久弥さんの本にも同じことが書いてあるにょ」
しかし、でじこの心は晴れなかった。外には弱肉強食の結果負け組となった人たちがあふれていたからである。
「でも、こんな世の中、どこかが間違っているにょ!陽明学の世の中じゃないにょ!」
「いいえ、久弥さんの書いた事は間違っていませんわ」
「真紅!おまえこんなに世の中混乱させてどうする気だにょ!」
「麻生さんが首相になったところで、久弥さんの夢は終わりではありませんわ」
真紅は久弥の本の最後のページを取り出した。
「でじこさん、この本を最後まで読みましたか?」
久弥の本の最後にはこう書いてあった。