デジキャラット・シンフォニー 3
「口からバズーカぴょ」
「それでいこう!」
邦俊は杉本侍従長にぴよこを貸してもらうよう頼み、一方で渡辺副大臣にも連絡を取った。
翌日、首相官邸に邦俊たちが現れた。
「松岡!聞こえるか!平田道明の孫、平田邦俊だ!渡辺副大臣はすでにこちらで保護したぞ!貴様のたくらみは全て露見した!おとなしく武装解除して投降しろ!」
「王様の意思に逆らう反乱はぴよこが口からバズーカで片付けるぴょ!」
「甘いわ!」
松岡はあっという間にぴよこと邦俊と渡辺副大臣を捕らえてしまった。
13.三宮臨時政府
話はすぐに三宮にいたでじこたちにも伝わった。
「何を考えているのでしょう・・・」
「とにかくすぐにアキハバラに帰りましょう・・・」
しかし、でじこはそれを承知しなかった。
「ここで帰っても、結果は分かっているにょ・・・」
そう言うとでじこは阪急三宮駅の前にある歩道橋に立った。
「みんな!たった今からでじこが総理大臣にょ!」
その瞬間、大きな歓声が上がった。
「このままでじこが帰っても松岡のいうままにょ。それならでじこと一緒にみんなで平田先生の陽明学の世の中を作るんだにょ!」
「でじこ!」
うさだを美香が制止する。
「六甲山の上からは平田先生が見てるにょ。平田先生の教科書にも書いてあるにょ。
『なぜ、国家や社会ができたか、それは人間が自らの幸福を守るために自ら形成したものである。従って人間が幸福を得られない社会は必ずこれを作り変えなければならない。人間が作ったもので幸福を得られないのならばその存在自体が道理に反する。天はこれを決して許すことはない。』
世の中のために良いと思うことは実行して世の中のために役立てるのが平田先生の陽明学にょ!平田先生の後継者であるでじこがそれを実行するにょ!」
「ちょっとでじこ、クーデターでも起こす気?」
「クーデターとは何ですかにょ?それに反乱起こしているのは向こうだにょ」
「確かにそうですわね・・・」
真紅はでじこに近寄った。
「でじこさん、おやりなさい」
そういうと真紅は旗を取り出してみんなに見せた。この旗こそ尾崎先生から平田先生へと受け継がれ、久弥さんが死に臨んででじこに託した南十字星の旗である。でじこは旗を真紅から受け取ると自分で広げてみんなに見せた。
「みんな!でじこと一緒に平田先生の陽明学の世の中を作るんだにょ!これは久弥さんの遺志だにょ!」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁