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デジキャラット・シンフォニー 3

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話の調子にみんながお金を投げている。
「すごいにょ・・・」
「邦俊君、すごいじゃない」
「美香さん、この人知り合い?」
「久弥さんの弟、和彦さんの息子の邦俊君よ」
「久弥さんの甥さんかにょ」
「また物語が始まるにゅ」
久弥の甥、平田邦俊は日本全国を回りながら紙芝居とアコーディオンを使って久弥の業績を伝え続けていたのだ。

でじこと美香は紙芝居の後片付けに追われる邦俊のもとへやってきた。
「邦俊君、ご苦労さん」
「美香姉さん・・・」
「今日はここで公演なの?」
「うん、でも関西公演はここで打ち上げだよ。来週は名古屋・大須でお祭りがあるから」

3、大須の大道芸
「ラプソドス団」の人たちは名古屋・大須で行われるお祭りのため名古屋へ移動した。
名古屋・大須、
「この祭りが開かれるようになったのはわけがあるんだ。その昔、ミヤコ蝶々さんという有名な女優さんが寂れた大須の町を嘆いたのがその始まりなんだ」
昭和50年・大須
「なんちゅうありさまどすか。大須はうちが修行していたとき、親子でさまようた町。観音様の町が寂れるのはつらいんどすわ。これ、どないにもなりまへんの?」
そうした蝶々さんの声に応えて全国から集まった芸人たちが大須の町を盛り上げようと始まったのが大須の祭りなのだ。
町中が盛り上げようと協力の手を差し伸べ、今では交通整理がないと歩けないほどの賑わいを取り戻した。
「だが、ひとつだけ失敗がある。それはゲーマーズがこの町に来たことだ」
でじこはおどろいた。
「平田先生はよく来てたにょ?」
「秋葉原の本店や名古屋店が大津通にあったころはね。あのあたりではじいさんの知り合いはいないからゆっくりと買い物ができた。大須だと年寄りも多いからね。気が引けるのだろう。それにお年より相手にカードゲームは無理がある」
大須が秋葉原と違うのは神社仏閣が多いこと。そのためオタク系やマニアだけではなくお年寄りの姿も多いのだ。
「だが、繁盛する方法はある。とりあえずの方法は品物を変える事だ」
でじこはその方法を聞きだした。

翌日、でじこはゲーマーズで大幅に品物を変え始めた。
でじこが置いたのは平田先生の「プロジェクトZ」シリーズ単行本や歴史学者だった平田先生や久弥さんが書いた本などだった。いずれも固いテーマの本だけにゲーマーズの店員やうさだまでが店をつぶす気かとでじこにたてついた。