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デジキャラット・シンフォニー 3

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「ピョコラ様をお助けする方法ですね」
「そうだ、杉本君が私の命令を持っていったのだが、逆に捕らえられてしまった」
「何とひどい・・・」
「ピョコラ様は平田先生の陽明学の世の中をアナローグ星に作れば空に南十字星が見えると言っていた・・・」
「私もこれ以上国民が苦しむのを見るのはつらい・・・」

王様のつらさとは裏腹に邦俊たちは勝手に楽器を作って遊んでいた。さすがは「ラプソドス団」の邦俊である、邦俊は「語り部」となっていろんな物語を音に乗せて演じたり語ったりしていた。時にはぴよこまで小さい笛で参加する有様だった。あるとき看守の一人が邦俊に三味線を貸すと、邦俊は三味線で洋楽を演奏しだした。しまいには流行ポップスソングまで三味線でひいてしまう有様だった。ぴよこの笛は杉本侍従長が木の棒から作ったものだが、杉本侍従長は金たらいと木の棒をひもで結び付けてベースを作ってしまった。渡辺副大臣も負けじと箸と洗面器でドラムをこしらえた。こうなると幽閉された室内はどうなるかは分かっていた。
「音楽って楽しいぴょ〜」
「じいさんも言っていた。音楽の否定は人間の否定だと」
3人の息はぴったり合い、退屈な幽閉生活がむしろ楽しくなっていった。

神戸ではでじこの呼びかけに対してあっという間に市民が蜂起した。
阪神大震災以来、もはや国を変えるには自分たちの力だと言うことを神戸市民はみんな知っていた。そうして苦しい生活を立て直したいとみんなが思っていた。
この時点で松岡や他の閣僚、官僚たちはみな状況判断ができていなかった。
本当なら神戸に多く財産を持つ松岡は何としても騒ぎを収拾する必要があったのだが、首謀者が10歳の女の子と言うことで、すっかりでじこをなめきってしまい神戸の状況を全く把握していなかったし、報告を信じもしなかった。他の閣僚も「でじこ大臣はまだ幼いしああいう性格だから市民を説得でもしているうちに暴動に巻き込まれたのだろう」と思っていた。
しかし宮殿の王様だけは心配していた。
「松岡たちもなんと脳天気な・・・。澪標(でじこ)は蛍(久弥)が育てた逸材というに・・・。
平田歴史学はただの歴史どころかある意味の危険思想でもあるのだ」
「陛下、それはいったいどういうことです?」