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デジキャラット・シンフォニー 3

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「信子さん・・・。」
信子さんは上本町に運ばれた兄、道明の銅像を見に来ていてたまたま今回の大騒ぎに遭遇したと言う。
「でも、兄上をうらむ大阪市民は誰もいませんでした。それどころか大火は上本町にも迫りましたが、みんなが一生懸命銅像に水をかけたりして兄上の銅像を守ってくれたのです」
「平田先生は大勢の人にしたわれているんだにょ」
「兄上は生前でじこちゃんに大阪を立て直してもらう考えだったようです」
その言葉を聞いたでじこは驚いた。
「なんですって?でじこさんを総理大臣にするのはマスターの悲願のはずですわ」
「おそらく兄上はそこまで大きくは考えていなかったのではないでしょうか?確かに兄上はでじこちゃんを政治家にすることは考えておりました。でもそれは知事程度のものだったのでしょう。でじこちゃんを総理大臣にするのはおそらく久弥が考えたことだと思います。兄上も立派な歴史学者でしたが、久弥は兄上以上に頭のいい子でした。都知事だった久弥のことですから知事くらいではでじこちゃんでは小さすぎる、知事では世の中を変えるには限界がある。多少の無理は承知でもでじこちゃんを総理大臣にして世の中を変えることを考えたのでしょう。それには自分の考えを自分の考えとしてではなく権威のある兄上の遺志として広めたのです」
「そんなこと放っておいていいのですか?」
「兄上は生前久弥についてこう言っていました。
『久弥、あれは頭が良すぎる。平和な時代ではちと心配だが、あれは私とは違う歴史学を作っていくだろう。私は教え子たちに歴史を教えてきたが、またそれがお国のためになっていったのだ。学者の子が学者になる必要はない。久弥にはお前も歴史が好きなのであれば私のやり方を引き継ぐことなく何か別の仕事を考えてみるがいいと言っている。だから私は久弥には学者ではなく外国に勉強に行かせたりして最後は政治家にした。それも結局はお国のためになった。久弥は最後にはとんでもない高い地位につくはずだ。私でさえ得ることのなかった名声も残すだろう。だから久弥が何をやろうとも私は口は出さないで金は出すようにしている。しかし親としての責任は取るので久弥には好きなことをやらせてあげて欲しい・・・』」
そうして信子さんはでじこの目を見た。
「久弥の考えが分かるような気がします。久弥はでじこちゃんを豊臣秀吉にする気だったのでしょう」