デジキャラット・シンフォニー 3
それを聞いた一同は驚いた。
16.でじこと太閤秀吉
「でじこを秀吉にするなんてむちゃくちゃよ!」
「さすがは久弥さんにょ、でじこのあふれる才能を見抜いていたんだにょ」
うわさはその日のうちに大阪中に広がり、でじこは平田先生が予言した太閤秀吉の生まれ変わりだと言ううわさが広まってしまった。
その日からでじこは豊臣秀吉の伝記を読み漁るようになった。秀吉はでじことは出自は逆だが性格や考え方はよく似ていることが分かった。
伝記読みがひと段落すると、でじこは外へでた。
「あれは何を配っているのですかにょ?」
「新聞号外だ」
「ただでもらえるならでじこももらうにょ」
でじこは号外をもらってくると、邦俊に見せた。その見出しを見た邦俊は驚いた。
見出しには「阪急電鉄倒産」とかかれていたからだ。
「なんですとにょ?でじこが助けたはずの阪急電鉄がつぶれたのかにょ?」
でじこたちは驚いて梅田へ向かった。
でじこが美香さんの頼みで宝塚歌劇団を救済した時に親会社の阪急電鉄ごと国有化したのである。その時阪急東宝グループを解体してそれぞれの会社の株を全て国有化した。これは邦俊がそうしろとでじこに言ったからであった。
つまり阪急電鉄の倒産は株主であるでじこにも影響が及ぶのである。
梅田の阪急電鉄本社にでじこが入るとマスコミが群がったがこれをかわしてビルの中に入った。
でじこたちが社長室に入ると見覚えがある顔があった。
「飲んだくれの知事さんにょ」
久弥の親友で長野県の小林虎次知事がいたのだ。頭はいいが飲んだくれの知事だった。
「この度は弟が馬鹿な真似をしまして・・・。」
阪急電鉄の社長は小林知事の弟の小林春雄であった。
小林春雄は阪急電鉄が国有化されて経営が安定したのをいいことに、あちこちの駅を建て直ししたり設備投資に多額の金をつぎ込んだ。さらには無理なスピードアップによる事故の続発などで経営が大幅に悪化したのだ。イメージアップして経営の建て直しを図ろうと梅田駅の全面建て直しを決定。コンコースを解体したのだ。だがこれが美香をはじめ多くの沿線住民から総スカンを食らってしまったのだ。
でじこはいきなり小林兄弟に目からビームを発射した。
「バカッタレ!おまえらいったい何をやっていたんだにょ!」
「必ず会社を再建しますから・・・」
「信じられるわけないにょ。邦俊さん、なんかいい方法ないのかにょ?」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁