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デジキャラット・シンフォニー 3

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美香は舞台衣装のまま上本町のでじこの治所に現れたのだ。
「美香さん、邦俊さんはまだ動かないにょ」
「そろそろ動く頃だと思っていたのよね」
「なんかいい方法ないのかにょ?」
美香は久弥が書き残した「道の行く末」と言う本を取り出した。この本は久弥が死去に際して南十字星の旗と共にでじこに託した本である。その際、久弥はでじこにこの本の中に書いてある72章の出来事が久弥の死後50年以内に全て成就すると言い残してこの世を去った。だが実際に成就したのはでじこが久弥と対立した政治家、原口恒雄を倒した部分など7つに過ぎなかった。
美香は本を開いてある箇所を開いてそのまま立ち去った。
その部分は「えびすの笹」と呼ばれる章で、以下のような記述があった。

−えびすの笹
 えびすが乗るのは 宝船
 福を運ぶは 商売繁盛のえびす様
 えびす神社は 西宮
 福を願う 者たちは
 毎月10日の 祭りの日に
 西宮の地に 願いを書いた
 短冊つけて 持って行け
 「商売繁盛なら笹持ってこい」
 言葉を唱えて 世を変えよ
 願いが天に通じるならば
 六甲山から 助けがある
 神戸の町は 輝きを増す−」
 
3月10日、でじこはぷちこと一緒に笹を持って上本町のホームにやってきた。
これには邦俊も驚いたが、でじこを黙って見送ることにした。
邦俊はでじこの持つ笹についている短冊の一つに「知行合一」「万邦協和」の文字を揮毫した。これは祖父・平田道明が座右の銘としていた言葉だった。
でじこが西大阪線をつたって西宮へ向かったと言う知らせはたちまち広がり、阪神西宮駅前には大勢の人が詰め掛けた。
あまりの人手に困ったでじこは、本に書いてあった「商売繁盛なら笹もってこい」の言葉を繰り返しながら西宮神社へ向かった。
すると人々も一斉に「商売繁盛なら笹もってこい」と唱和し、でじこの参拝に同行した。
でじこは参拝を済ますと、人々に取り囲まれた。
「おおっ、あれは平田先生の南十字星の旗や!」
「万邦協和・・・平田先生の旗印やさかい!
ここに至ってはでじこももはや人々をとめることはできなかった。
「もうここまで来たらやるしかないにょ!みんな!でじこと一緒に平田先生の陽明学の世の中を作るにょ!」
こうしてでじこと民衆の力が結束した。

でじこが参拝を終えると、一人の老人が語りかけた。