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デジキャラット・シンフォニー 3

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そのためでじこたちはUFOが直るまで王様たちと行動を共にすることになり、ゆっくりと東へ進むことになった。
せかすでじこを見て、邦俊がゆっくりと立ち上がった。
「もはやあの場所へ行くしかないだろう」
「あの場所とは?」
「生前、叔父上が神様と会える場所として4つの場所を指定しておいた場所がある。
一つは阪急三宮駅前、二つ目は上本町駅、三つ目は有楽町の大黒像」
「そして最後の四つ目は?」
「名古屋駅の北側にレンガ造りのひときわ古くて立派な建物がある」
「それは・・・。まさか・・・。」

名古屋駅の北隣に位置する栄生駅、そのホームから見えるレンガ造りの建物といえば「トヨタ産業技術記念館」であった。
生前の久弥さんはヒマさえあれば新幹線に乗ってよくここへきたと言う。それは久弥自身が「ここに来れば豊田喜一郎さんが何かを教えてくれる気がするんですよ」と言っていたからだ。
早速でじこたちは産業技術記念館へ行き、入り口の隣にある記念室で豊田喜一郎さんと対面した。するとでじこが恐れおののいた・・・。
「久弥さんにそっくりにょ・・・」
傍らにはこんなことが書いてあった。
「ただ自動車を作るのではない。日本人の知恵と情熱で国産自動車を作らねばならない」
「久弥さんの考えと同じだにょ」
久弥も生前にでじこにこう話していた。
「コンピューターも飛行機もみなアメリカ製かさもなくばヨーロッパ製だ、これではいかん。日本で使うものは原料だけはいくらでも輸入すればいいが、外国で作った製品を輸入して日本で使うことだけは絶対にいかん!日本で使う製品は日本で作るのだ!」
でじこはアテンダントや学芸員たちから豊田喜一郎の生い立ちを聞かされた。
「まるで久弥さんそっくりにょ!」
偉大な父を持ちながら親より頭が良すぎた故に親とは同じ仕事をせず、生前に栄光を手にすることなく突然の病気で世を去る。そして抱いた夢が実現したのは彼が世を去ってしばらくしてからだった。この豊田喜一郎の生涯はそのまま久弥の生涯と重なっていた。
でじこは産業技術記念館の倉庫に案内された。そこには10機の小型飛行機と1台の黒塗りの車が置かれていた。
「この倉庫は生前平田先生から製造を託されて先生亡き後は久弥さんが管理なさっておられました」