デジキャラット・シンフォニー 3
でじこたちはみかんの皮を捨ててしまったが、この皮に注目している人物がいた。
邦俊である。
彼はみかんの皮を絞った。すると一種の揮発油ができた。邦俊はそれをでじこのUFOの機械部分に差したり、汚れている部分を磨いたりした。するとUFOの機械部分が立ち直り修復できた。
このためでじこはぷちことゲマを連れてUFOに乗って先を急ぐこととなった。
でじことぷちこのUFOは運転を誤り、墜落してしまった。直せる人間といえば邦俊さんくらいのものだが、肝心の邦俊さんは王様にくっついていて来るまでに時間がかかる。
おまけにここがどこか分からなければ助けも呼べない。でじこたちは途方にくれた。
日差しが強くなったのででじことぷちこは日傘をさしていたが、それをみた神職がでじこの元へとやってきた。
「どうやらここは神社ゲマね」
神職は驚いて声を出した。
「おお」
「なんだにょ?」
「あなた方はメアリーポピンズでは?」
神職は感激して言った
「先の東京都知事、平田久弥さんがこの町に来た時言いました。『私の後に傘を持った女の子がこの町に降りてきて町の人を救う』と」
「久弥さんが?」
「私どもは久弥さんが語る物語『メアリーポピンズ』だとばかり思っていました」
ぷちこが控えめに南十字星の旗を掲げて告げた。
「控えい、このお方こそ平田久弥が後継者と定めるショコラ・デジキャラットであるぞ」
神職たちはたちまち恐れおののき、でじこたちを本殿へ案内した。
「この三島大社は商売の神様として知られるえびす様と共に三島大社にゆかりの深い平田道明・久弥親子も神様としてお祭りしております」
「ところで、あなたが久弥様の後継者とは・・・」
「でじこは東京へ向かうところだにょ」
そう言うとでじこは「えびすの笹」を差し出した。
「おう、これは西宮神社や熱田神宮などのお札だな」
「いずれも平田親子にゆかりの深い神社ばかりじゃ」
神職はそう言うと三島大社のお札をでじこの持つ笹の一番高いところにつけた。これででじこの笹につけられたお札の数は12個となった。
でじこが空腹を訴えると、神職はすぐにうな丼を出した。
「この三島はうなぎの名所として知られております。久弥さんはうなぎなら浜松よりも三島に限ると評したほどの味でございます」
しかし、ぷちこだけは満足な顔を見せなかった。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁