二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

デジキャラット・シンフォニー 3

INDEX|51ページ/66ページ|

次のページ前のページ
 

「ひなが歌う〜」
しかしぷちこだけは争いに参加せず落ち着いてマイクを拾って邦俊に渡した。
邦俊はマイクを拾うと歌いだした。
「〜水にきらめく、かがり火は〜だれに想いを、燃やすやら〜」
五木ひろしの「長良川艶歌」であった。
そのうち、薔薇水晶が木の陰からその様をのぞくようになった。
みんなが緊張したが、邦俊さんだけは気付かないふりをしていた。
邦俊さんは盛り上がっているふりをして「三尺三寸箸」で薔薇水晶の口元に料理を運んだ。すると薔薇水晶は料理を口にして「おいしい」とつぶやいた。
ほどなく薔薇水晶は宴に加わった。
「薔薇水晶とやら、相手を倒すだけが生きていく方法ではない。相手とともに栄える「共存共栄」という生き方もあるのだ」
邦俊がそう語ると薔薇水晶は小さくうなづいた。

22.リリ大使、日本に来る
そのころ、ニューヨークの国連本部では一人の男が演説を始めていた。
国連の日本大使が米政府からもたらされた年次改革要望書を手に演説をしていたのである。
「国内の制度改革にとどまらず、一国の大臣の罷免要求をするのはこれは明らかな内政干渉であり、国連憲章に合致するものではありません!これは国際法に対する侮辱であります!」
国連大使の名は一条広隆、宝塚花組トップスター一条きららの弟で平田道明の弟子である。かつてでじこが原田恒雄を倒した時、原田の首を取ったのがこの男である。
その昔、小学校教師だったと言う博識をでじこに買われてでじこの推薦で麻生首相から国連大使に任命されたのである。

広隆の演説が終わると、フランス大使が話しかけてきた。フランス大使の名は、ジャック・リリといった。広隆とは初対面だった。
リリ国連大使は広隆の前に来ると一冊の本を広隆に見せた。
「ムシュー・イチジョウ、この本の著者をご存知ですか?」
本を見せられた広隆は驚きの色を隠せなかった。
それは「The History of Japan written by Michiaki Hirata」と書かれた本だった。
平田先生が生前外国人に日本の歴史を説くためにわざわざ英語だけで書いた本である。
「はい、知っていますが・・・」
「私は今月で国連大使から日本に赴任する大使になりますが、この本の著者にぜひ合いたいと思っています」
「それは無理でしょう。著者はすでに亡くなられている」