デジキャラット・シンフォニー 3
「私はじいさんの遺言に従い、でじこ大臣を内閣総理大臣にして日本を救わなければならないのです。リリ大使も東京へお越しください」
「はい」
一方神奈川県内は大騒ぎとなった。でじこ大臣を殺そうと陣取った米軍がいざでじこ大臣がやってきたと勘違いして一斉射撃を始めたらこれがなんと王様の行列だったからである。
おどろいた在日米軍司令官が血相を変えて王様に詫びを入れようとしたが、温厚な王様もこの仕打ちには激怒していた。
「お前たちはそんなにこの国の王様が憎いのかぴょ?」
「王様に対して狙撃するとは、もはや日本を攻撃したも同じだ。それとも米軍は日本をつぶしてもかまわないと言われるのか?日本国民を皆殺しにしても許されるのか?」
「それは何かの間違いです」
「王様は大変ご立腹なされている」
「この度の事件の責任者は厳しく責任を追及した上で日本政府に引き渡しまして・・・」
だが、そんなことは容易ではなかった。実行者にとっては上司の命令を実行しただけなのに罰せられるとなったら軍隊の規律そのものが乱れる。だからこの場合は判断ミスをした上司がまず罰せられるべきなのだ。つまり責任を問うとなればまず在日米軍司令官から責任を問われるのである。先代の王様ですら日本の国のために政治家や国民が犯した罪の責任を一身にかぶる決心を固めたこともあるのだ。もちろん今の王様もその決意にかわりはない。王様にはそんな司令官の態度や言動がいかにも自らの責任逃れにしか見ることができなかった。
一方、でじこたちは成田山でお札の代わりに「木札」をもらった。これは笹にはつけずに各自で身につけるお守りだった。でじこたちはリリ大使の車に乗ることにした。リリ大使は元F1レーサーでもあったので車の取り扱いに慣れていた。リリ大使はとりあえず箱崎まで行き、そこから有楽町駅前の少し手前でまずは真紅たちを下ろした。
真紅たちは有楽町の駅前にいき、早速「人形楽団」の演奏を再開した。有楽町に人形楽団が戻ると人々は色めきたった。
真紅たちが「おおシャンゼリゼ」の演奏を始めると、リリ大使はおもむろに真紅たちの演奏場所にゆっくりと車を近づけ、車を降りると自分も一緒に歌いだした。後からでじことぷちこたちも降りるとひときわ歓声が上がった。
23.でじこ内閣成立!
その日、王様も東京の宮殿に入った。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁