デジキャラット・シンフォニー 3
「陛下、いよいよ新しい国を作る人物を宮殿内に迎え入れねばなりませぬな」
「わかっておる・・・」
王様も杉本侍従長もいよいよでじこを総理大臣にしなければと思っていた。
それはぴよこにも分かったが、自分が王様の使いとして行けばでじこにバカにされて帰ってくるのは分かっている。杉本侍従長にしても自分がいってもだめだろうと考えた。でじこが一発で言う事を聞くような人物を王様の使いにしなくては。
3月29日、アキハバラヘ帰ったでじこの元へやってきたのは・・・。
「でじこちゃん」
「美香さん」
美香は王様の使いとしてでじこの元へとやってきた。
「でじこちゃん、明日王様がでじこちゃんを総理で偉人に任命するから宮殿に来なさいと」
「明日?」
次の日、美香は無理やりでじことぷちこを連れて宮殿に連れて行った。
「なんだにょ、突然に」
「でじこちゃん、王様は今日からでじこちゃんを総理大臣にするの」
「だったら明日でもいいにょ」
「だめ、王様はどうしても今日にこだわっているの」
「なんか意味でもあるのかにょ?」
「六甲山の平田神社では年に2回お祭りがあるの。一つは6月5日の平田道明祭、そしてもう一つが3月30日の平田久弥祭」
「今日が久弥さんのお祭りかにょ」
「そう、二人の誕生日に合わせてお祭りがあるの」
王様は久弥の誕生日に合わせてでじこを呼び新しい世の中を託すつもりだった。
やがてでじこが王様の前にでると、おもむろに王様が口を開いた。
「ショコラ・デジキャラット、右の者 内閣総理大臣に任命する」
でじこ内閣の誕生である。
この様子はテレビで中継され、特に関西では快哉の声が絶えなかったと言う。
さて、でじこは平田先生の考えを次々実行に移していった。
まず自分の経済産業相の後任に邦俊を据えた。邦俊は企業再編に大なたを振るった。中でも注目すべきは三菱重工と川崎重工の航空機部門をトヨタへ売却させて新たに「トヨタ飛行機」を作ったことだった。これには世界中に激震が走った。
一方、これに危機感を抱いている男がいた。アメリカ大統領、ステファン・ネーダーである。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁