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デジキャラット・シンフォニー 3

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でじこは邦俊がコーヒーをがぶ飲みするのを見てあきれていた。しかし邦俊にとっては夢にまで見た本場のシアトルコーヒー、飲まずにはいられなかった。

シアトルからはでじこたちはミルフィーユ秘書の妹で空自のパイロット、牧村ちとせの操縦する飛行機に乗ることになった。
真紅はパイロットのちとせに尋ねた。
「どこへ行くのです?」
「JFK」
真紅たちは驚きの声を上げた。
「なんでみんな騒ぐのかにょ?」
「この飛行機はニューヨーク行きですわ」
この言葉ででじこは完全に目が覚めた。
「王様の命令だ。でじこ総理を特使として国連総会に出席させると」
「なんですとにょ?」
「さすがは王様にゅ。ただで相手の言うこと聞かないにゅ」
王様の作戦はでじこたちを国外へ出して紛争を避けるふりをしてその行き先が相手のふところでは大笑いの種だった。
飛行機は程なくニューヨークのJFK空港に着陸した。
これにアメリカ政府は驚き仰天したが、自分が言った事に対して間違ってはいないしましてやこうなっては騒ぎを起こせば自国民に影響を与えるだけ。仕方なくでじこ首相の入国を認めた。
空港に着くなり邦俊は報道陣を前に会見を開いた。
「ニューヨークで演説をした後、ホワイトハウスで全てをネーダー大統領とでじこ首相と直接談判。そのスケジュールです」
「危険を冒してまで来た勇気の原因は?」
「一言で言えば「武士道」です。我々は生命も名誉も運命さえ度外視しております」
邦俊は別の貨物便で運ばれた荷物を解いた。それは産業技術記念館からでじこに与えられた久弥さんの車「トヨダAA セントラル」だった。
でじこたちは空港からホテル「ウォルドーフ・アストリア」へ向かった。ここはかつて久弥が働いていたところで、王様の常宿でもあった。
まるで1930年代そのままの行列は各種メディアの格好の取材の的となった。

ホテルに入ったでじこは悩んでいた。明日の国連総会ででじこが日本政府代表として演説することになっているが、でじこはどのように話していいかわからなかった。
それを察した邦俊は一計を案じた。

次の日、国連総会会議場にでじこたちが現れると拍手をもって迎えられた。
中央の議場にでじこが立つと、スポットライトがでじこに当たり、真紅たち「人形楽団」が音楽を奏でた。