デジキャラット・シンフォニー 3
でじこやぴよこはここで負けたら道明や久弥、王様や杉本侍従長に何と言っておわびをするのか、真紅たちも尊敬していたマスターに顔向けできなくなる。美香は公演場所を失うことになり親友のあかりに何と言ったらいいか。みけは尊敬している「お魚博士」こと尾崎和夫教授に顔向けできなくなる。みんなのマスターや先生が愛した国を滅ぼすわけにはいかなかった。そしてみんなが信じたのは「平田歴史学」とその根本になっている「陽明学」の革命理論だった。世の中を変えたいと本気で願うならば変えることができる、それが「陽明学」だった。
でじこたちは有楽町駅の北側にある東京国際フォーラムにやってきた。
するとそこへ水銀燈が現れた。
「あら、誰かと思ったらおばかさんの真紅だわ」
「見るからにいやな奴だにょ」
「この火事は貴女のせいね」
「そう、私はあんたたちを倒すためならどんなことだってやる、松岡やネーダーを使ってでも・・・」
「すると今までの騒ぎはお前が諸悪の根源かにょ」
でじこは目からビームを放ったが、水銀燈に外されてしまった。
今度は水銀燈が武器を繰り出し、全員を狙う。
「美香さんあれを使いましょう」
ミルフィーユ秘書はバズーカ砲を取り出して水銀燈を狙った。だが・・・。
「ミルフィーユさん、どこを狙ってるにょ・・・」
「あれ〜」
なんとミルフィーユ秘書は前後を逆にしてバズーカ砲を構えていたのである。
このおかげで北隣にあった東京三菱UFJ銀行本店ビルが倒壊してしまった。
今度はみけが釣竿を振った。だがみけ自身が糸巻きにされてしまった。
さらに美香とちとせがピストルを構えた。すると発射する前に水銀燈が二人を倒した。
美香は水銀燈に突っかかっていったが、逆に跳ね飛ばされてしまったのである。
そこに水銀燈が強烈な攻撃を仕掛けて全員をねじ伏せてしまった。
「おばかさんたち、アリスゲームの邪魔はしないで・・・」
「お前なんかに倒されたら二度と有楽町に南十字星は出ないにょ・・・」
「叔父上の・・・夢を・・・守る・・・」
倒れたぴよこは杉本侍従長との日々を思い出していた。
投扇興の名手であった杉本侍従長はぴよこに投扇興の54手を披露した。中でも最後の54番目の手である「夢浮橋」は杉本侍従長お得意の手だったが、他の者が真似することはできなかった。それゆえに王様は杉本侍従長に「夢浮橋」の号を与えた。
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁