デジキャラット・シンフォニー 3
「こいつが起こすから眠いにょ」
「起きない貴方が悪いのです」
「ホホホ、でじこにはちょうどいいわ」
すると物陰に隠れていたぷちこが顔を出した。
「おまえ、何者にゅ?」
「ローゼンメイデン第五ドール、真紅」
「久弥さんの人形のおかげで大迷惑にょ」
「貴方が久弥さんが言っていたカプチーノ・プチキャラットですね」
「ぷちことよぶにゅ」
ぷちこは真紅に大事な話があると言って呼び寄せた。
「でじこはうかつ者だからそばにいるだけでも大変にゅ」
「そうでしょう、私もなぜか分かりません、久弥さんがでじこさんを後継者に選んだ理由が・・・でも久弥さんが選んだ以上は私はでじこさんを立派な政治家にします」
「真紅さん、どうかいつまでもでじこに取り付いてでじこをまともなプリンセスにしてやってにゅ」
「私もそのつもりです」
「ぷちこ、余計なこと言うんじゃないにょ!こいつに一生取り付かれてたまるもんですかにょ!」
「あら、その方がいいんじゃない」
「冗談じゃないにょ!」
「でじこさん、目からビームを使うつもりですか?」
真紅に目からビームを使えないでじこにとってはストレスがたまる一方だった。
「真紅を何とかしないとだめだにょ。でも相手は平田一族、でじこの力は通用しないにょ・・・」
思い余ったでじこは町田市の久弥の家を訪ねた。そこは久弥が亡くなった後に親子で保管していた蔵書を使った図書館になっていた。そこでは久弥の姪で久弥の秘書をしていた牧村雪絵、人呼んで「ミルフィーユ秘書」が図書館の司書をしていた。
「それで私の元に来たわけですか」
「ミルフィーユさん、このままではでじこの気が狂ってしまうにょ、うさだもぷちこもあてにならないにょ」
「そのほうがいいかもしれませんね、でじこさんには」
頭の上を見ると、そこには真紅がいた。
「おまえ、ここに来たのかにょ」
「でじこさんを政治家にするのが私の使命、邪魔するものは誰であろうと許しません。それがマスターとの約束ですから・・・」
「ほら〜真紅さんもそういっています」
「どいつもこいつもあてにならないにょ・・・ミルフィーユさんも頼りにならなきゃ美香さんが東京公演に来るまで待つしかないかにょ・・・」
「次の美香さんの東京公演は来年までありませんよ」
「にょ?!」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 3 作家名:細川智仁