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デジキャラット・シンフォニー 4

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ここは稲荷寿司発祥の地である。もともと庶民的な食べ物を好んだ久弥は豊川の稲荷寿司を好んで食べていた。
すると60代とおぼしき頭の白い男性が隣に座ってきた。
「ゼネストだで、あんたらもお参りにきたんきゃ?」
「ホテルにいてもしょうがないから来てるにょ」
「本当は人探しに来たにゅ」
「人探し?どんな人探しとるん?」
「この千社札が頼りにょ」
老人は千社札を見ると表情が変わった。
「この千社札、誰にもらった?」
「でじこの夢の中で平田先生が置いていったにょ」
「平田?まさか東大教授の平田道明先生やないやろね?」
「ひょっとしておじい様をご存知なのですの?」
「おじい様?するとあんたは?」
「私は元・東京都知事・平田久弥の娘、平田文子ですわ」
「久弥の?それやったら、あんたは平田先生の孫娘か?ええとこで会ったなあ。わしの名は杉浦信義、豊橋の杉浦工業の社長や」

7.産業技術記念館の災難
杉浦は早速工場へ向かおうと豊川駅へ向かった。しかしそこへ渡辺がかけつけた。
「申し上げます!産業技術記念館がデモ隊により破壊されました!」
「なんですとにょ!」
生前の久弥が定めていた4つの聖地、有楽町の大黒様、阪急梅田駅のコンコース、阪急三宮駅、そして名古屋栄生の産業技術記念館だった。久弥は困ったことがあったらこの4箇所のどこかに行けば知恵を授けると言い残していたのである。
ところが阪急梅田駅のコンコースと阪急三宮駅はすでに現存せず、今また産業技術記念館が破壊されてしまった。

直ちにでじこたちは名鉄豊川稲荷駅から列車に乗った。幸いにもこの駅からは岐阜まで直通列車が出ており、栄生まで直通でいけたのである。

でじこたちが産業技術記念館に到着した頃にはもう日が沈んでいた。
「ひどい・・・」
「久弥さんの夢を育てた場所がなくなってしまったにょ」
「これで久弥さんにつながる糸がなくなってしまったわね」
「そんなことありゃせんがね」
杉浦は暗くなった館内を指差した。するとどこからか、カタタという音が聞こえてきた。その音はだんだん大きくなっていった。
「え?」
「この音はなんだにょ?」
産業技術記念館に保管されている豊田G型自動織機が一斉に動き出したのだ。
「ここで自動織機が動く限りは久弥の魂が生きとるがね」
「まさか?ここにある機械ってほとんどが80年以上前の機械でしょう?」