二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

デジキャラット・シンフォニー 4

INDEX|11ページ/64ページ|

次のページ前のページ
 

「うさだ、久弥さんがここに夢を求めたのは、ここにある機械は100年以上たっても動き続けるからだにょ」
「お父様も言ってました。日本の機械は100年以上たっても現役で使えるものが多いと。それが日本の技術のすばらしさであり、世界に誇るべきものだと」
Mintは南側にあった旧豊田商会事務所跡のほうへ走っていった。
「Mintさんどこへいくにょ?」
「ありましたわ」
旧豊田商会事務所跡の脇にぶなの木が3本植えてあった。
「お父様の植えたぶなの木も無事でしたわ」
「久弥さんが植えた木かにょ」
「でも、なんでぶなの木なの?普通植樹と言えば松や杉の木じゃない?」
そううさだが言うとMintは逆上した。
「なんですって?お父様の歴史学者の知識を疑うなら許しませんよ!」
「そういうわけじゃ・・・」
「正三位勲一等・元東京都知事・平田久弥の実力をお疑いになるのですか?」
「久弥さんのことだにょ。何か考えているに決まってるにょ」
「そうですわ。お父様は針葉樹ではなく広葉樹を好んで植えていました」

「・・・なあ、文子。荒地を再生するには3つの段階がある。一つは雑草を育てる段階、雑草は水と土さえあればどこにでも生える。次に松や杉など針葉樹の林の段階。針葉樹は日当たりさえ良ければ育つ。そうして土に養分が蓄えられた段階で最後に広葉樹の林を作る。広葉樹は暖かく水があり土に養分があれば日当たりはあまり関係ない。広葉樹林は栄養が豊富だから昆虫やきのこ、野生動物たちの楽園になるぞ・・・」

「さすがは久弥さんにょ・・・」
「お父様のような歴史学者は100年以上先のことまでお考えになるものですわ」

8.Mintの夢列車
Mintがスターになるにつれてその才能のすごさが分かってきたが、Mintの父、久弥に関する質問も多くなった。でじこたちのように久弥を神様としてあがめている人もいれば、原口派の残党の流れをくむ批判勢力もいたのである。
産業技術記念館を焼いたのもそうした輩だった。
Mintはこれらに対しては軽く受け流していた。久弥としては他人の評価を気にしたところで何にもならない、自分の仕事をやることだけに力を注げばいいと生前よく言っていた。しかし久弥に対する批判がMintに集まるのにはさすがのMintにとっても重い負担だった。