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デジキャラット・シンフォニー 4

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ある日、名古屋栄の「オアシス21」でのライブでとうとうMintは怒ってしまった。
生前、久弥が「名古屋市営地下鉄の線路は東京の営団地下鉄までつながっている」との発言をしたのだが、名古屋市民でさえがほとんど笑いものにしたのであった。
あるテレビ局のキャスターがMintに「父上の夢物語を信じていますか?」などと聞いた。
これにMintが大激怒したのである。
「お父様の悪口は許しませんわよ!お父様は実現不可能な事は決して発言しませんでしたわ!」
「確かに平田親子の言ったことで本当にならなかったことはないにょ」
そこへぷちこがやってきてMintに耳打ちした。
「できるかどうかやってみればいいにゅ」
「そ、そうですわ。何事もできないと思うからできないのですわ」

数日後、Mintは別の放送局に企画書を持ち込んだ。
「平田久弥前東京都知事追悼特別企画―Mintの夢列車」
それはMint自身が父・久弥の思い出を語りながら列車に乗って東京を目指すと言うものだった。

半月ほどして、名鉄の赤い列車にMintのヘッドマーク付きの特別列車が新岐阜駅のホームに停車していた。
「まさか、これで東京まで行く気かにょ?」
「久弥さんを信じるにゅ」
ヘッドマークには「新岐阜―取手」と記載されていた。
発車すると同時にMintが歌いだした。

思い込んだら 試練の道を 行くが男の ど根性
世界に誇る 日本の歴史 休む間も無く 進歩する
血の汗流せ 涙をふくな
行け行け 平田歴史学

夜明け前にも 冷たいつゆが 落ちては光る 上本町
平田教授が 告げていた 希望を示す 十字星
星の光が 見えるまで
行け行け 平田歴史学
 
夢を持たぬ 人々に 時が変わると 声がする
久弥が愛した 有楽町の 暗い夜空に 光差す
今宵も輝く 南十字星 
行け行け 平田歴史学

いつのまにかでじこもこう口ずさんでいた。
「思い込んだら 試練の道を 行くが男の ど根性〜」
でじこはこの歌詞が気に入ったらしい。
列車は犬山を経て上小田井から地下鉄に入った。
外が見えないためでじこたちは歌ってばかりいた。
やがて列車は赤池から再び地上に出て豊田市へ、さらに知立を経て豊橋へ向かった。
このころになると車内はもはや宴会場になっていた。
「この歌はかつてお父様がコミケで行列の時に歌っていたものを作り変えましたの」