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デジキャラット・シンフォニー 4

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それはこんな歌詞だったと言う。

思い込んだら 試練の道を 行くが男の ど根性
世界最大 60万人 ビックサイトに 集まれり
血の汗流せ 涙をふくな
行け行け コミケ どんと行け

日差しを浴びる 夏コミも 木枯らしすさぶ 冬コミも
苦難に耐えよ 男じゃないか 今日もはるばる 地方から
命と郷土の 誇りをかけて
行け行け コミケ どんと行け

自分の作った 本を持ち ビックサイトに やってきた 
世界に誇る 日本の文化  祭りは年に 2回だけ
悔いなく動け 後ろを向くな
行け行け コミケ どんと行け

「コミケは苛酷な環境と聞いています。父上も体が丈夫な人ではありません、歌でも歌わないととても耐えられなかったのでしょう」
「そういえば久弥さんはなんかあるとすぐ歌を歌っていたにゅ」
「あんなかったるい環境が苛酷かにょ?」
「かったるいですって?」
「Mintさん、コミケは参加者の8割以上がMintさんとほぼ同年代の女の子だにょ」
「なんですって?父上はいつも名古屋の自宅を出る時遺書を残していきましたわよ」
「女の子がほとんどの環境では久弥さんの存在自体が異質だったんだにょ」
「久弥さんより女の子の方が体力があるにゅ」
「確かに女の子が大半と言うなら何人かで襲われたらひとたまりもありませんわね。父上はコミケで爆弾に襲われてやけどを負って帰ってきたこともありましたわ」
「爆弾じゃなくて爆竹にゅ」
「時々そういうバカな奴らもいるからでじこみたいにずるがしこくなきゃ歩けないにょ」
「久弥さんの最大の欠点はまじめすぎたことにゅ」
「ああいう人がコミケで生き残るんだにょ」
でじこが指差したのはラッパを持った邦俊だった。でじこの目には邦俊は平田一族の大ばか者としか写らなかった。
「そうかしら?邦俊さんは平田一族では一番の切れ者と言われていますわ」
やがて邦俊のラッパの曲が変わった。それを機にMintたちがいきなり踊りだした。
「踊り〜踊るなら〜チョイト東京音頭〜ヨイヨイ」
でじこはあきれ果ててしまったが、ぷちこはつぶやいた。
「ばかと天才は紙一重にゅ・・・」
豊橋に着くと車内はすでに盛り上がっていた。列車はそのまま東海道線に入り、浜松あたりまでこの盛り上がりは続き、さらに邦俊の曲は「大東京音頭」に変わっていった。