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デジキャラット・シンフォニー 4

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「さすがは久弥さんの娘にゅ」

2.小杉首相の構造改革
さて、このころ、でじこは東京都庁の建て直しに奔走するため総理の座を降りていた。
でじこの後には麻生前総理の腹心だった小杉隆信が総理となっていた。
小杉総理は麻生前総理の考え方を受け継ぎ、「構造改革」と称して外資の導入など積極的に規制緩和を行っていた。
だがこれを苦々しく思っている人物がいた。平田教授の孫、平田邦俊、そう、「Mint」のいとこである。このころ邦俊は公職を退いて三菱重工の営業マンとして働いていた。
邦俊は企業の幹部と会うと必ず相手に聞くことがあった。
「あなたは小杉総理を支持しますか?」
「あなたは仕事に信用が大切だと思いますか?」
ほとんど全部の人は小杉総理を支持するが、信用を大切にすべきと言った。
だがそんな人を邦俊が信用することはなかった。なぜならでじこが邦俊にこういっていたからである。
「小杉のやってることは一見自由に見えて実はこの地球で一番大切な信用をぶち壊しているだけにょ!」
でじこの目は正しかった。「小杉政策」は信用のあまり必要ないアメリカ社会を日本に持ち込み日本の信用を壊しているだけだった。そうなると小杉総理を支持するならば信用は必要ないと言わねばならないし、信用が必要だというならば小杉総理の抵抗勢力にならねばならない。でじこには小杉総理を支持している人たちが「信用第一」などといっているのがとても信じられなかった。企業トップのほとんどはうそつきとさえ言っていた。邦俊が三菱重工に入社したのは三菱重工の谷口社長が小杉総理の抵抗勢力として戦う考えを示していたからだった。だがトヨタが小杉政権を支えていたので三菱重工は左前になっていた。
三菱重工が抵抗勢力となっているのには訳があった。三菱重工の成り立ちは長崎にあった幕府の造船所を発祥とする。明治になり坂本竜馬の海援隊を引き継いだ岩崎弥太郎がおこした海運会社が「三菱商会」だった。岩崎は客へのサービスと共に従業員を大事にすることを基本方針としたのである。海運会社「三菱商会」は後に合併して「日本郵船」となって現在に至るのである。
「人を大切にする三菱」その伝統は三菱の強さを支えてきた。それ故に三菱重工もアメリカ流のドライなやり方をするわけにはいかなかった。