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デジキャラット・シンフォニー 4

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ここはもともとは道明が冷戦の激化で核戦争が起こった時に備えて核シェルターを作った場所だった。だが冷戦終結でその危険がなくなったため、久弥はこの部屋の存在を忘れて放置しておいたのだ。それをでじこが見つけてきれいにした。めんどくさがりのでじこがこの部屋を掃除したのは、先の戦いで一緒に戦った人形たち6体をここに閉じ込めてしまうためだった。それはかつて道明が所有していた7体ある「ローゼンメイデンシリーズ」の人形のうち、でじこたちが倒した「水銀燈」を除く6体をここに閉じ込めてぜんまいを抜いて箱にしまっておいた。
「これでうるさい奴らは二度と目覚めないにょ」
おまけにでじこは扉を閉ざすと放射能の標識に使う三角形の黄色いシールを貼り、「危険!放射能あり!」と大きく書いた。これを知っているのはぷちこだけである。
ぷちこはこのドアを開けて6体全部のぜんまいを巻きなおした。すると全員が目覚めて動き出したのである。
居間でくつろいでいたでじこは驚いた。
「にょ?なんでお前らがいるのかにょ?」
「ぷちこが起こしたにゅ!」
「ぷちこ、こんな時に余計なことするんじゃないにょ!」
その時、金糸雀がバイオリンを弾き始めた。
「聞いたことない曲だにょ」
すると、ドアが開いた。
「それは「黄色いリボン」ですね」
「渡辺さん」
傍らにいたのは久弥の親友、渡辺華仁だった。
「黄色いリボン、久弥の都議会議員時代のテーマソングだった」
「ワルティング・マチルダじゃありませんの?」
「久弥は平田教授の七光りで輝くことを嫌っていたらしくてな」
生前の道明は息子の久弥には自分と違うとてつもない才能があることを見抜いていた。そのため久弥には自分と同じ学問の道には進ませずに好き勝手にやらせた結果、久弥は政治家に進み、都議会議員に当選した。親の言うままにならずに好き勝手やって来た久弥である、父親の影がかかるのは嫌がっていたのかもしれない。
久弥が都議会議員に当選した当時、議員は議場に入場する際、テーマソングを鳴らして入場していた。後に久弥が都知事になったためにでじこたちは聞いたことがなかったのだ。