デジキャラット・シンフォニー 4
「陽明学の基本は、「知行合一」。すなわち自分の心を磨いた上で私利私欲にとらわれることなく、世の中全体のために良いと思うことはこれを自ら実行して世の中のために役立てる。これが陽明学の教えである」
「「知行合一」、でじこもやりますにょ」
「ほほう、この言葉の意味が分かるのか。さすがは久弥が見込んだだけのことはある」
「とりあえず杉本さんの部下を一人お借りしますにょ。陽明学を実行するために必要なんだにょ」
そういうとでじこはぴよこの手を引いて部屋を出た。
「でじこちゃん、何をする気だ?」
杉本侍従長がふとわれに帰るとぴよこがいなくなっていた。ぴよこは王様お気に入りの侍従だったので杉本侍従長はすぐさま王様に報告に走った。
王様は宮殿内で典医となった3人の診察を受けていた。
「おっさん、まじめすぎて気苦労が多いから病気になるんだぜ」
「少佐!相手を考えろ!」
「よい、若いものの元気は国を支える力となるのだ」
そこへ杉本侍従長が飛び込んできた。
「陛下!一大事でございます!」
「夢浮橋(杉本侍従長)、あなたが血相を変えて飛び込んできたと言うことは何かあったのですか?」
「花散里(ぴよこ)が澪標(でじこ)に連れ去られました!」
「何ですと?夢浮橋(杉本侍従長)、何をやっていた!」
「申し訳ございません」
「すぐ行方を探し出せ!夢浮橋(杉本侍従長)、厳しい処分は逃れられぬものと覚悟しなさい!」
歯科医のカイは王様のけんまくに驚いた。
「あの落ち着いた王様にいったい何があったというのですか?」
「どうやらただごとではなさそうだな」
内科医のクウは大慌てで道具を片付け始めた。
「少佐、何をあわてておるのだ?」
「二人とも今の会話聞いてなかったのかよ?」
「いったい何がおきたというのです?」
「もー、ぴよこが杉本のおっさんと一緒に仕事している時にデジキャラットにさらわれたんだよ」
二人は驚いた。
「今の会話はその報告だったのですか・・・」
「おっさんが怒るはずだよ。デジキャラットがなにやらかすかわかんねえぞ」
3人はあわてて道具を片付けてぴよこの捜索に向かった。
でじこはぴよこを連れて品川のビルの前に来ていた。
「ぷちこにぴよこ、これが邦俊さんを追放した重工だにょ。手始めにここを目からビームでぶち壊すにょ!久弥さんの陽明学、杉本さんの「知行合一」をやるにょ!」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 4 作家名:細川智仁