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デジキャラット・シンフォニー 4

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「その気ならシンガポールに着いたその日のうちに国際電話かけて辞表たたきつけて飛行機で戻っているよ。なあ正也、俺とお前はラプソドス団の団長と副団長だ。おれたちにしかできない方法があるはずなんだ。」
「さすがは平田一族だぜ。やりもしないであきらめるということが久弥が最も嫌うことだった。親父殿がよく言っていた」

翌日、ホーチミン市の公園に不思議な太鼓を持った二人が現れた。
三つ又に分かれたバチと太鼓を持って「大丈夫だあ〜」と叫びながら町を回るのである。その様はいつしか多くの人の注目を浴び、ついにはマスコミが取材するようになっていった。
邦俊たちはダナンの港から再び船に乗り、マニラからケソンシティを回り、基隆港に着いてまでこの太鼓をたたいては各地を回っていた。

14.町にやってきたキャトルレーヴ
さてでじこはそんな邦俊の有様をテレビで見てあきれ果ててしまった。
「とうとう邦俊さんやミルフィーユさんまで狂ってしまったにょ。久弥さんがこれを見たら何と言いますかにょ」
「でじこさんならどうなさるんですの?」
「みんなまとめて目からビームにょ!」
「お父様が生きていらしたら大笑いしていたでしょうね」
「当然にょ!笑うだけじゃすまないにょ」
「天国ではおじいさまと一緒に大笑いして「さすが私のおいだ、もっとやれ」とでも言ってますわよ」
でじこはその言葉に耳を疑った。
「でじこさん、まだ分かりませんの?邦俊さんはただ笑われるためだけにあんなことしているわけではないことを・・・」
すると、そばにいた杉本侍従長も顔色が変わった。
「まさか・・・。邦俊君と正也はとんでもないことを考えているんじゃないだろうな・・・」
「お察しの通りかもしれませんわよ」
杉本侍従長はその場にしゃがみこみ、ぴよこが介抱に当たった。

「Mintおねえちゃん、さっきのテレビの映像はどこの町かぴょ?」
「ベトナムのホーチミン市ですわ」
「飛行機で行くことはできないのかぴょ?」
「行ってどうする気ですの?邦俊さんを止める気ですの?」
ぴよこは小さくうなづいた。
「行くことは難しいことではありませんけど、やめたほうがよろしくてよ。杉本さんは止めることはしないほうがいいと考えていますわ。なぜならこれが平田道明の意思であり、予想した世の中なのですから」
「行くなら旅行費用はでじこ様が出すにょ」