デジキャラット・シンフォニー 4
だが、難問もあった。途中に独裁者の国があったために工事はそこだけストップしていたのである。後にでじこたちが道明の手引きでピョンヤンに侵入してついには独裁政権を倒してしまったのである。そのためアジアハイウェイが完成したのだ。
でじことMintはイベントで用賀に0キロポストを立てたりした。
その頃、駐日フランス大使、ジャック・リリは休暇を利用してピョンヤンを訪問していた。
この町の中心部に高い塔がある。かつて思想塔と呼ばれていたが、でじこが進入した時にゲマがこの塔の頂上に尾崎先生の南十字星の旗を立てた。すると塔から光が差した。以来この塔には南十字星の旗を手に持ったでじこの像が立っているのである。
だが、リリ大使は一種の不安を覚えた。
「でじこちゃんが独裁者のようになったらこわいな・・・。」
かつて、独裁者は自分をたたえる音楽を作り、何万人もの人を集めては「マスゲーム」という集団人文字や演技を繰り返していた。独裁者の政権が崩壊した後は独裁者の銅像はでじこの銅像に作り変えられ、レリーフもでじこに変わっただけでそのまま存続していた。マスゲームも時折でじこの肖像が掲げられて行われていた。
道端にある絵もでじこへの皮肉かいろいろな絵が描かれていた。
「民族の運命 でじこ同志」と書かれた文章の下にでじこが民衆を率いて戦う姿や、「あなたがいなければ祖国もない」と書かれた文章に花火をバックにしたでじこの銅像の絵などもはや皮肉一杯だった。
「これにでじこちゃんが共鳴しなければいいのだが・・・」
リリ大使の予感は当たっていた。
宝塚歌劇団公演「プリティ・プリンセス・デジキャラット」は確かにでじこや久弥さんを主人公にした物語だったが、女性だけの劇団の宿命か事実とはかなり異なる物語を上演していた。これにMintが火のごとく怒り、ぷちこは途中で退席してしまったのである。
でじこも物語の出来には満足していなかった。
その夜、ぷちことMintは夜通し話し合った。
「でじこさん、朝ですわよ」
「朝ですかにょ・・・。Mintさんなんだか疲れていそうですにょ」
「当然ですわ、でじこさんを女優にするために画策しているのですから」
「それでなんかいい話あるかにょ」
「ええ、でじこさんを女優デビューさせる話がまとまりましたわ」
「なんですとにょ?」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 4 作家名:細川智仁