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デジキャラット・シンフォニー 4

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「平田道明の南十字星」は南十字星にまつわる様々な伝説とでじこが道明と出会って独裁者を倒すまでのストーリーだった。「平田久弥の星のお話」はでじこと久弥の物語を交えながら久弥が目指した「陽明学の世の中」を解説するものだった。
いずれもMintのナレーションと曲が入った。遠い星から来たでじこに星の解説ははまり役だった。
「・・・こうして大阪・上本町に輝く南十字星の伝説は、およそ半世紀を経て道明の語るところとなって人々の心を捉えていきます。しかし近年、星の光が上本町の空の上に輝くことがなくなりました。時を同じくして地上からも星が消えていったのです。上本町のある大阪ではここ数年町工場が次々と消えていきました。夢を忘れた人々は上本町から去り、株などものづくり以外の方法で労せずお金儲けをしようとしたのです。けれどもそれは一時の夢でしかないことは分かっていたことでした。けれども上本町にはまだ夢を捨てていない人たちはたくさんいます。平田道明は弟子であるでじこに夢ある人を束ねることを命じたのです。自分が亡くなった後の遠い未来、夢ある人は必ず立ち上がって日本を立て直してくれるはず。これが道明が日本史を研究した結論でした。しかしでじこはまだ10歳、そこで道明は星に希望を託すように「星の伝説」として南十字星の伝説を語って聞かせていたのです・・・」

Mintのナレーションつきのプラネタリウムの番組は徐々に人気が出てきた。時には番組終了後にMintがプラネタリウムの前で歌うこともあった。

ところが美香はこれを苦々しく思っていた。自分たちが演じているストーリーとははるかに違うからである。
でじこにしてみればどっちもどっちだった。

16.でじこのお使い
でじこの周りの人間がみんな勝手に生きていたためにすっかりでじこは今の世の中に嫌気が差してのほほんとしていた。
「ぷちこ、デジキャラット星に帰るかにょ」
「でも燃料がないのにどうやって帰るのかにゅ?」
「愛知の飛行機工場を襲えばすぐにょ」
「おまえばかにゅ」
愛知に行こうにもでじこが由比で瓦礫の山を築いて塞いでしまいその間に愛知は独立宣言してしまいうっかり近寄れない有様だった。
「ここは私の出番ですわね」
「ちとせさん・・・」
牧村ちとせ、「ミルフィーユ秘書」の妹で空自のパイロットであった。
「でじこさん、これを預かってきました」