デジキャラット・シンフォニー 4
もともと体が貧弱なMintは奈良県に入る頃にはやつれ始めていた。それでもMintはスピードを緩めずにすすめた。このため大阪の玉手山でMintは病気にかかってしまった。周辺の人はMintに休んででじこが来るのを待つようにすすめたが、Mintは担架に自分を乗せて運ぶように命じた。
2日後、鶴橋に入る頃にはすでにMintの意識は薄れ掛けていた。
一方、上本町のレジスタンスたちは久弥の娘が来るとの知らせに心を躍らせた。しかし彼らが目にしたのはやつれかけた少女だった。レジスタンスたちはすぐさまMintを上本町の赤十字病院へ入院させた。
「はなしてくださいまし!まだ神戸についてませんの」
「何言うとる、あんたには無理だ」
「私は平田久弥の娘です、倒れるまで戦いますわ!」
そのときドアの向こうから声がした。
「Mintさん、この作戦の最高責任者はだれにょ」
「でじこさん・・・」
でじこはMintを諭した。
「Mintさんは確かにここまで早く敵を片付けてくれたにょ。それだけで十分な手柄だったにょ」
「でも・・・」
「Mintさん、ここは休むにょ」
「先生、Mintさんの容態は?」
「たいしたことありません、過労ですよ。3日ほど寝ていれば治ります」
「だいたい久弥さんもMintさんもやりすぎにょ」
でじこたちも3日ほど休むことにした。と、いっても上本町のホテルから一歩も出られなかった。レジスタンスや市民たちが熱狂していたのである。
これにぷちこが便乗した。でじこの命令と称して上本町の赤十字病院を守るように彼らに告げたのである。でじこたちは病院で治療を受けているから3日間赤十字病院から誰も出すなと。効果はてきめんでさすがのMintも病院でおとなしくしているしかなかった。
その夜、ぷちこがでじこと邦俊に大事な話があるといった。
「なんだい?」
「これからはMintさんを見張ったほうがいいにゅ」
「なに?」
「ぷちこの予感にゅ。Mintさんは死ぬ気にゅ」
「まさか・・・」
「一度は自殺を考えた人だにょ。やる気にょ」
「しかしそれが本当なら貴重な戦力を失うことになる、ん、そうだ・・・」
翌日、邦俊は正也と共にMintの部屋を訪れた。
「文子、王様からおほめの言葉が届いたぞ!」
「本当ですの?」
「ああ、そうだな、正也」
「まあ、正也さんが・・・」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 4 作家名:細川智仁