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デジキャラット・シンフォニー 4

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「ぷちこさんに言われました。そんなことをすればお父様に嫌われますわ。私が攻撃を急いだのは三宮の空の上にいるお父様に私の働きを見ていただきたかっただけですの。もちろん命は惜しくはありませんがお父様が愛した町を蹂躙されるのは腹立たしかったですわ」

その一部始終をでじことぷちこが聞いていた。
「これでわかったにゅ」
「Mintさんは死ぬ気じゃなかったのかにょ・・・」

翌朝早朝に再び風雨が強くなった。でじこたちは屋内にいたからいいものの、生田神社を取り囲んだ軍隊は大変な苦労を強いられた。さらに豪雨で水浸しどころか生田川の決壊で洪水被害を受ける部隊も相次いだ。
さらには六甲アイランド沖に係留した原口秀彦の船が全て横倒しになって座礁した。これで彼らは逃げ道を断たれた。
「これが天命かもしれませんね」
「縁起でもないことを、でじこさえ倒せば日本は救われる」
だがそこに彼らを追撃する一団が現れた。
彼らは笹とでじこの肖像を手に持ち、「世直し平田歴史」「平田味方」などと書かれた旗を持っていた。西宮神社の氏子たちである。
かつてでじこが秀彦の兄、原口恒雄を倒すために笹を持って出発した神社がある。それが西宮神社であった。西宮神社では笹にお守りや飾りをつけたのである。でじこが持った笹は西宮神社を出発し、各地の神社を回った上、最後となる12個目のお守りをつけたのが平田道明・久弥親子をまつる三島大社の町田宮司であった。
秀彦はあわてて行列に問いかけた。
「皆さんちょっと待ってください、あんな子供に、それも売国奴いや国賊に味方するおつもりですか?」
「じゃかましい!国賊はどっちじゃ!」
この時秀彦は自分の作戦の失敗を悟った。
「しまった、上本町からの救援を断つことを考えて自分が挟み撃ちになることを考えていなかった」
さらに秀彦は上本町とでじこにだけ目がいってしまい、地元住民のパワーを完全に無視したのが災いになったのである。件の笹を持った一団さえ秀彦は上本町から来た救援部隊と思っていたのである。しかし上本町では台風のためでじこを救う救援部隊など出せなかったのだ。笹を持った氏子たちは西宮市民だったのである。いかなる戦争といえども住民の支持を得られなければその時点で負けは確定する。久弥が都知事になった時に都内をくまなく回ったのは、いざという時に住民たちの支持を自分に集めるためでもあったのだ。