【テニプリ】ヒカリノサキ
text S大だ。そこの医療学科に願書を出して、既に内定をもらっている。
通うのは9月からだが、出来れば8月の初めには入居したい。
それと、馬鹿は余計だ。
-end-
「…っとに、馬鹿だな」
律儀にいちいち返してくるのが可笑しい。手塚らしいと言えばらしいが。
to 手塚
sub Re:Re:Re:Re:Re:相談
text S大の近くなら、俺が前使ってた部屋が家具付きであるぜ。
他、当たんのも面倒臭ぇからそこにしろ。家賃は幼馴染みの誼みで負けといてやる。帰国したら連絡しろ。
-end-
送信し、携帯を閉じ再び仕事に戻る。企画書に目を通す。
「…んな企画が通ると思ってんのかよ。再提出だな」
溜息を吐いて、次の書類へと手を伸ばしたところで何度目になるか解らない着信が鳴った。
to 跡部
sub Re:Re:Re:Re:Re:Re:相談
text 明日、そちらに18時過ぎに成田に着く。迎えに来てくれ。今から、飛行機に乗る。携帯には出
られない。
-end-
「はぁ?(…有り得ねえだろ。今すぐの話を今するな!前もって話とけってんだ!!)」
その場にいたなら手塚に浴びせたい罵詈雑言を飲み込み、携帯の画面を見つめ、跡部は眉間に皺を寄せると深い深い溜息を吐いた。
翌日、18時、成田。
手塚が乗った便は定刻通り、到着した。
跡部はゲートの前、ネクタイを緩める。手塚の帰国の情報はマスコミには伝わらなかったのか、それとも突然過ぎて情報が流れなかったのか、ロビーにマスコミ関係者の姿はなく閑散としている。その閑散としたロビーに入国審査を終えた人々がぞろぞろとゲートを出てくる。その中に憎ったらしい顔を見つけ、跡部は手を上げた。
「おい、こっちだ!」
それに気付いた手塚が跡部の元へと歩み寄る。
「久しぶりだな」
「あぁ。…肩の具合はいいのか?」
右肩に担がれたラケットバックを目に留め、跡部は手塚の左肩を見やる。
「問題ない…とは言えないが、日常生活に支障はない」
「…そうか。荷物はそれだけか?」
「あぁ。後は全部、処分してきた」
「そうか。…って言うか、お前、自分が有名人なの忘れてねぇか?」
作品名:【テニプリ】ヒカリノサキ 作家名:冬故