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【テニプリ】Marking

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揶揄するように嬉々と喋る跡部にさっぱり訳が解らないリョーマは不満げに口を開いた。
「背中の情痕って、何?何のことだか全然、解んないだけど?」
『本当に解んねぇのか?手塚に最中に掻き毟られた傷だよ』
跡部に呆れたように言われ、リョーマの顔にかーっと朱が走った。
『随分、激しかったみたいじゃねぇの?』
リョーマが羞恥に黙り込んだのを察し、跡部はほくそ笑む。いつも、リョーマと手塚には振り回されているのだ。こういうときぐらい、おちょくったっていいだろう。跡部は思う。
「ッ、アンタには関係ないでしょ。…ってゆーか、何で、オレの背中のこと、アンタが知ってんの?」
跡部の心底楽しそうな揶揄うような口調に、リョーマは顔を赤くしたまま、唇を尖らせた。
『そりゃ、バッチリ、写真に撮られて、週刊誌に載ってるからだろ。少しは自分が有名になってることを自覚しろ。油断してんじゃねぇよ。アホが』
「っ?!、何で?」
着替えの最中を撮られた記憶はない。手塚のことは細心の注意を払って隠している。なのに、何故、そんな記事が出ているが心辺りが全くない。リョーマは眉間にみしりと皺を寄せた。
『お前、試合の最中、ウェア着替えただろ』
「え?」
跡部にそう言われ、記憶の襞をめくる。
「…そう言えば…」
あの日は凄く暑くて動き回った所為で、汗を吸ったウェアが肌に引っ付いて気持ちが悪かったので、チェンジコートの際、着替えた気がする。
『思い出したか?…で、そこに、乾、いるか?』
「…いる、けど、何?」
『メールでその記事送ってやるよ。変わってくれ』
促されて、リョーマは溜息を吐いて、乾に携帯電話を渡す。乾は受け取ると、口を開いた。
「乾だ」
『おう。久しぶりだな。そこにパソコンあるか?』
「あぁ。手元にあるよ」
『アドレスを教えろ』
短いやり取りの後、暫く間を置いて、乾のパソコンに新着を知らせるメールが一通届いた。
『届いたか?添付ファイルを開けてくれ』
指示通り、添付ファイルを開く。画面にはアップになった無駄な筋肉一つない鍛えられたリョーマの背中。その背中に生々しいまでに縦横に走った五指の爪痕。肩には噛まれたのか歯型まで残っていた。
「…何と言うか、凄いな」
『激し過ぎだろ。見た瞬間、呆れるより先に感嘆したぜ』
「…確かに見事な威嚇とマーキングだな。……あの試合の終盤の越前のスタミナ切れの原因は手塚か…」
作品名:【テニプリ】Marking 作家名:冬故